初景色

我の強めな感想を書きます

キッド・ヴィクトリー感想日記

なんかもううまくまとまらないので日記にします。まとまってないです。

 

12月16日 19時

初演観てるので、そうなるのは薄々わかってたけど、幕開いた瞬間思った以上にざっと血の気が引いた感覚がして、なんだか自分の反応に逆に面白くなってしまいました。いやほんとこれ推しがルークなのしんどすぎでは???観終わってから物理的に胃が痛いのですが……。でもそれも見越して明日午前休取ってあります。天才。
再演のみの感想ってなんだかまだ難しいな。初演もそれなりに通ったので、初演で感じていたことにまだ引きずられちゃってるかな。私はもうとにかくマイケルを憎んでいるのですが、同時にマイケルの背景についてもいろいろ考えさせられる部分があるので、この再演でのマイケルについてもちゃんと考えていけたらいいなと思います。
ああでもほんと、未成年を唆して親に嘘を吐かせようとする大人、本当に邪悪……。大人になったからこそ、より感じるようになりましたね、こういうの。マイケルにどんな背景があろうと、子どもに自分の弱さを押し付けるのは絶対許せないな……。
キャストごとの感想も言いたいけどやっぱり初演の解釈に引きずられちゃう気がするのでまた今度……。ルークはやっぱり目がとっても繊細で素敵でした。わくくんのお芝居好きだ。あと、ロマンスグレーのおじさまがとても好みなので、ひのあらたさんのお父さんがかっこよすぎて、しんどさの中で急にときめいてしまって感情がバグる。でも、最後のお父さんとのシーンは普通にとっても好きでした。今日はこの辺で。

追記:前日にストーリー・オブ・マイ・ライフを観てたので、「普通」に押し潰される感じがさらにめちゃくちゃしんどかったです。

追記2:全然眠れん!のでつらつら考えたこと書きます。なんかもう、何が無理って、年の離れた未成年に対して「よそさまの大事なお子さん」って意識がないのがなんか一番無理なんだよな。犯罪なのでそれ以前の問題ではあるのですが。私は未成年の友人もそれなりにいるので、そういう相手とも盛り上がって普通に会話したりはするけど、年上への遠慮に甘えないことと依存させるような関わりをしないことには気をつけて接するじゃないですか、大人として。そういう線引きがないどころか、立場の強さを利用して、自分に欠けてる何かを満たすために子どもを利用するのが本当に許せない……許せないんだよ……。そういう風になってしまった背景についてはちゃんと見極めたいなと思ってるし、場合によってはそれに心を痛めることもあるかもしれないけど、どんな理由があったって子どもを傷つけていいことには絶対にならないので。

12月17日 19時

英語苦手なくせに英語版の歌詞聞き取ろうとしてたら無事日付も越えたので全てを諦めて箇条書きにします。あっ今日は胃は痛くなりませんでした!

  • 今日、鹿の角の間にルークが丸めた紙投げるとこで、客席の方に飛んじゃうハプニングがあったけど、エミリーの対応が最高にエミリーで最高でした。最高でした。
  • お母さんもスーズも悪気はないのわかってるけど見ててほんときつい。歌声が美しいほどきついので、最高だなと思いつつすごいしんどくなっている。スーズ、待つのは勝手だが本人に言うなよ……若い。お母さんは見てて、自分の祖母とか、『くろねこちゃんとベージュねこちゃん』のお母さんを思い出すな……。「完璧な男の子」って訳天才だと思う。思春期の母子って多かれ少なかれこういう部分はあると思うんだけど、宗教的背景がそもそもしんどいし、ルークが一度自立していこうとしたところでマイケルに付け込まれてめちゃくちゃにされてしまっているから、余計しんどいんだよなぁ。
  • アンドリュー大好き。彼は彼で大変なことあるだろうに、性格がカラッとしてるのほんといいよね。「普通の幸せ」に適応できる人たちのこと、私は恨めしく思ったりしたこともあるけど、アンドリューは明るく唾吐いてて、そこがめちゃくちゃ好き。幸せそうな窓の中にもきっと一つ一つ苦悩はあるんでしょうけどね。そこには同情しない若さと勢いも好き。終始ルークの意思を尊重する紳士なとこも最高だよね。若くてチャラいのに紳士。良い。なのにルークがマイケルに引き戻されてしまうのがほんと、マイケルをぎったんぎったんにしてやりたくなる。
  • マーラ、初演のときから大好きだったけど、ほんと好き!かわいい~!!
  • エミリーがルークとの約束を守れないの、少しつらいし、約束しちゃったエミリーもちょっと幼いとは思うんだけど、エミリーはエミリーでマーラとの人生を歩んでいこうとするところ、すっごく好き。
  • 最後のお父さんとのシーンほんとに好きだな。歌に入る前のルークの台詞ほんとしんどいし、お父さんもしんどい顔してて、ほんとにしんどいよね……と思う。”Where We Are”、まだちゃんと理解できてるとは思ってないんだけど、今持っているものをちゃんと見ろってことなのかなぁと、今日聴いてて思いました。私はしんどくなると、自分の持ってる幸せを数え上げて安心するので、そういう感じなのかなって。わかんないけど。
  • マイケルがルークに未来を見るのはけっこう理解できるんですよね。未来が定まっていないのって、無限の可能性が秘められているようで、とてもきらきらして見える。大人になっていくのって、選ばなかった道を捨てていくことでもあるから。でも自分が行き詰ったからって、若い誰かに自分の夢とか希望を託す姿勢は、私は大嫌い。他人の人生は他人の人生だし、自分の人生は自分で作っていかなきゃ。自分のやりたいことを選んでいかなきゃもったいないと思うんですよね。そう思える環境にあること自体が恵まれているんだとも思いますが。
  • また推敲ゼロで他人様に伝わるのかどうかわからん文章を練成してしまった。でもこういう風にごちゃごちゃ考えられる作品大好き。人生を問われてる感じするもんね。楽し~!!

12月18日 17時

21日になって思い出して書いています。ちょっと気持ちがそれどころじゃなくなってしまっていたので、思い出せる範囲で。

  • この回でやっと少し客観視できるようになってきたかなという感じがしました。まあ推しがルークで冷静に観る方が無理よね。EASTチーム初日観た友人が心配して連絡くれたし、この日にいた友人にもこれ通うのえらいって言われました(笑)えらいって言うのも違うかな?ってフォローしてくれたけど、私は単純なので褒められてうれしかったです。
  • エミリーにサンタフェに行こうっていうシーン、2人の大人の対比になってるんだなあと思いました。どちらもここに居場所がない大人。マイケルはこの世にいられなくなって、「痛み乗り越えパラダイス」へ。エミリーは娘とここで生きていこうと決める。ルークはマイケルとは一緒に行かないけれど、行く場所がなくなって混乱するんだなぁって思えて、やっと自分がちょっと落ち着いてきたなと思いました。
  • 帰り道、友人と話していたのですが、今回のWESTチームのマイケル、初演と比べてすごく強い人に見える。初演のマイケルは、確かもっと繊細に見えたんだと思うんですよね。弱くて居場所を失ってしまった感じがあったので、ある意味わかりやすかったんですけど、今回のWESTマイケルは、あれだけ人当たりの良さと支配的な感じをコントロールできるのに、なんでうまくやれなかったんだろうって不思議な気持ちになる。今後も観ながらもうちょっと掘り下げていきたいな。
  • 今日のスーズわりとわかりやすくキレてたなって友人と話してました。あの歌の内容、ほんとは言うつもりじゃなかったもんね、ルークに「前に進め」って言われたから言ったんだよね。今まで私の見方がルーク贔屓すぎたわ、ごめん。

12月20日~26日

体力が尽きてて日記諦めてしまった……。もう何も考えたくないよぉの気持ちと、でもとりあえず思ったこと吐き出しとかなきゃ観劇中書きたいことで気が散って後悔するから書いとこうよの気持ちとでとりあえずこの画面を開きました。
書けるとこまでとりあえずシーンごとに頭から書いていきます。

  • 幕開いた瞬間、現実から物語の世界に引きずり込まれる感覚がしんどくて、何度観ても慣れなかった。たぶん3回目くらいからルークの表情がより幼く見えて、それがしんどさに拍車をかけていた。最近どんどん表情も大人びていってるなと思っていたところにあの幼めの表情されると心に来る。守られていてほしい。
  • ルークと会ったこともない人はともかく、もともと関わりのあった人が祈る気持ちは、初演の頃に比べて理解できるようになった気がした。ここのところ、すがる神もいないのに、祈ることしかできないことが多すぎたので。初演の頃は、幕開きからルークの家での会話にかけて、「見られている」圧をひたすら感じていた気がする。今はアイリーン側から見える世界についても考えている。もともと敬虔なクリスチャンで、祈った結果それが叶えられたなら、より感謝を捧げなければいけない気持ちになるだろうなという気がするし、途中で神を疑うこともあったなんて、この人にとっては自分を揺るがされることでもあったのだろうと思う。でもその分、特にWESTのアイリーンは、信仰の世界のことしか見えなくなっちゃってる感じがしてしんどかった。ルークが監禁されていた間、ルークにはルークの時間があったことがわからないんだろうな、なんでわからないんだろうな……という気持ちで見ていた。
  • 場転でシャッってカーテン引くの好き。ケールのキューブに苦そうな顔してるのかわいくて、この瞬間がこの舞台観てる中で一番心が軽くなる。
  • フランクリン氏、劇中での役割はともかく、歌はけっこう好き。役割としては典型的な「この町の人」を示してるんだろうなと思いますが。悪気はないんだろうなぁ。"PLAIN WHITE CARD"、自分らしい色はこの町では許されないってことなんだろうなと思っています。もっと直接的に言えば、虹色はダメなんだろうな。
  • フランクリン氏の詮索から守ってくれるエミリーがとても好き。うちは母方の祖母だけわりとこの町っぽい感じの人で、あるときすごく嫌なことを言われて、私もキレてしばらく会わないようにしてたんだけど、母がその間、何年間か、電話も取り次がないようにして守ってくれたんだよね、あれはありがたかったし、母ともいろいろあったけどこの人は味方なんだなと思えるようになったので、エミリーが守ってくれたのもルークにとっては最初の大きいことだったんじゃないかなぁと思います。そこから、エミリーが先に自分の弱みを晒してくれるのも良いよね。私も先に自分の話しちゃうと、それを呼び水にして相手も話してくれるようなときがあって、こういうの好きだな。エミリーの歌を聴いてるルークの表情の変化が、すごく良いなぁと思っています。
  • マイケルとの出会い……の話はちょっと気持ちがぐちゃぐちゃになるので今はしません。
  • ゲイル、WESTのゲイルはわりとまともっぽくて好きなんですよね。専門職じゃないし、手法は胡散臭いし、親の前でやるのはプライバシー守られなくて良くないし、宗教を背景にしてるのは特にルークにとっては受け入れがたいと思うんですけど、自分の現状を人に話しながら整理するのが大事っていうのはそうだなと思う。でも専門職のところに行かせてあげなよと思うんですけどね、そういうのできないのかな、あの町。
  • 再びマイケル。「誰も知らない」それはそうなんだよ。そこを自分にならわかるとか分かり合えるとかって近づいてくる奴がやべえんですけど!?だめだ怒りが抑えられない……。まあこの町の場合誰にも言えないのはそうなんでしょうけど、それを自分とだけ共有するように洗脳していくのがほんとに嫌。最初に出会うのがアンドリューみたいな人だったら良かったのに。誰にも誰かのこと理解なんてできないし、理解できない違いがあるからこそ、誰かとコミュニケーション取るのが楽しいのだと私は思う。簡単に誰かを、何かを、わかるなんて言ってしまいたくないし、共感したものについても「わかる」で済ませるんじゃなくて、私はこういう経験をしてきたからこういう風にこれに共感するって言いたいんだよね。だからこんなに長々と書いているわけですが。ただ、私も「わかる!!!!!」って言っちゃうときはあって、そういうときは「細かな違いを無視しても三文字の簡単な言葉で叫んでしまいたくなるほど今私はその事象に対して共感し情動を揺さぶられています」ということだと思ってもらえるとありがたいです。そういうときはある。そこにある違いを無視してしまうことの暴力性は意識している。
  • "LOAD CARRY ME HOME REPRISE"、これきっついですね……。マイケルがルークに言っていること、そのままマイケルの父か、そういう立場だった人がマイケルに言っているように見える。初演も今回も、最初はそういう風に見てはいなかったんだけど、途中からすごくオーバーラップして見えてきたんだよな。こちらが回数を重ねたからか、あちらの要因なのか、よくわからないんだけど。マイケルの背景はほとんど語られないのに、そういう風に見えてくるのがすごいなと思います。
  • 洗濯終わったのでまた明日以降!!!おやすみ!

ミュージカル『王家の紋章』 感想

ミュージカル王家の紋章、ほんっとうに楽しかった~~~!!!ということで、帝劇で見た感想を、ちょっとばたばたして時間が経ってしまいましたが、博多座だとまた進化してたりするのかなと思いつつ、書いてみたいと思います。

私は普段たまにしか帝国劇場の方には来ないのですが、今回、わくくんが子役の頃ぶりに帝劇に出演されるとのことで、ひさしぶりに通うことになりました。応援し始めたのが7年ほど前なので、わくくんがアマデや子ルドをやってらした頃は観ておらず、いつかまた帝劇に立たれることもあるのかな?そのときはいっぱい観たいな、とふんわり思っていたのですが、なんとなくもう少し先な気持ちでいたので、びっくりしたしうれしかったです。
ダブルキャストを見比べたりするのもひさしぶりで、最初は好きになれるかしらどうかしらとちょっとどきどきしていたのですが、終わってみたら全員大好きになっちゃって、博多に住みたかった……となっております笑
ほんとに皆さんとっても素敵だったので、役ごとに好きなところを語らせてください。

メンフィス

浦井さんも海宝さんもとっても素敵で、観ていてほんとに楽しかったです!
メンフィス、どちらもイムホテップとの絡みがめちゃくちゃ好きでして……いやキャロルは?って感じなんですけど、イムホテップに対する笑顔に、メンフィスがどういう風に育ってきたかとか、素が見えるような気がして、一番ときめいちゃいました……。イムホテップがハグしようとするのが、王になる前のちっちゃい頃だったら跳びついてたりしたのかなと思ったり。両メンフィスとも一番安心できる相手なんだなって感じですっごく好きだったんです。

浦井さんメンフィスは、もうほんとに無邪気に笑うのがすっごくかわいくて……めちゃくちゃ歯見せて笑ってましたよね?あれずるい!!普段はファラオとして厳格に振る舞ってるし、佇まいにも威厳があって王らしいメンフィスですけれど、ほんとは無邪気でやんちゃな男の子なんだなぁと思ってました。ちっちゃい頃イムホテップに跳びついてそのまま肩まで登ってそう。キャロルに対しても等身大で素直に感情をぶつけていくイメージでした。あと、マント捌きがかっこいい!!!ひるがえる布が大好きすぎるので、毎回堪能しておりました。

海宝さんメンフィスは、真面目にファラオという立場と向き合って研鑽を重ねているような印象が強かったです。イムホテップに対しても、にっこにこのおじいちゃんって感じで寄ってくるのに対して、最初は抑制的に、大人っぽい笑顔で対応してて。でも、ふとしたときにちょっと歯見せて笑うのが、普段がんばって王として振る舞っているけれど、やわらかい部分もあるんだなというのが見える気がして好きでした。キャロルに対しても、王として心に鎧を纏って強く立っているけれど、キャロルにだけは心のやわらかい部分を見せてしまう、みたいな感じがして、ギャップがずるいなぁと思います。


キャロル

神田さんキャロルは真ん中に立つために生まれてきたような華があって、めちゃくちゃ好きです。まさしく少女漫画のヒロインって感じ。かわいくて、でも強くて自立している。生き抜いていくためのパワーと知恵がありそう。少女漫画とか少年漫画とかって、大人になって読むと、子どもがそんな過酷な運命を背負おうとしないで……と思ってしまうところがありますが(主人公が子どもだから当然ではあるんですけど)、「ナイルの娘」として民衆の愛と信仰を受け止めるなんて、ただの少女に背負わせるには重すぎるものを、このキャロルなら、悩みつつも、持ち前のパワーと魅力でプレッシャーを跳ね返して、ちゃんと自分の意思を貫いて行けそうで、本当に素敵で大好きでした。

木下さんキャロルは、いかにもお嬢様という感じのお淑やかさがありつつも、考古学に関してはオタク気質を発揮するところがめちゃくちゃ好きでした。興味のあることに出会うと目をきらーんとさせるのがとってもかわいい。私も小6~中2くらいのとき考古学者になりたい!って言っていたので、発見されたばかりの三内丸山遺跡に連れていってもらったときのこととかをちょっと思い出して、親近感を覚えます。イムホテップの連れてきた外国の方々のお話を聞きたそうなのもとってもかわいかったです。
ただ、真面目そうなので、王妃になることを決めるところでは、エジプトの人々の死を背負いすぎてしまわないか、心配になりました。「ナイルの娘」って声をかけられていくの、かなりしんどい。ただ守りたかっただけなんだとは思うのですが、こちらからすると、こんなかわいらしい少女に背負わせないで……という気持ちになってしまいました。海宝さんのメンフィスも真面目そうなので、真面目同士だと追い詰められちゃったりしない?大丈夫かな?みたいな気持ちに……。ちゃんと息抜きもしてね。でもまあその辺は、目を離すと興味あるところに出かけていっちゃいそうな気もしますが。かわいくて愛おしいです。

イズミル

平方さんイズミルは、なんかもう宝塚の2番手スターさんぽいキラキラ感がすごかったです。あの長い袖がとても似合ってらして、シルエット完璧だし、お歌もうまいしほんとかっこよかった~!イズミルの、女性を物としか思ってない感じがすごく出てる気がして、むかついたんですけど、悔しいけどかっこいい!!どうしてもときめいてしまうのでめちゃくちゃ悔しかったです!笑
威圧感がその長身からまっすぐ放たれていて、妖しい雰囲気のある役ですが、メンフィスと相対する堂々とした存在感があるのが素敵でした。これだけかっこよければ寄ってくる女性全員完落ち状態で駆け引きとかしたことないでしょって感じ。キャロルに対する感情、いちいち全部初めて知ったみたいな顔しててすごかったです。大変な初恋をしましたね……。

大貫さんイズミルは色気が下から這い寄ってくるようなイメージでした。もうほんと色気がすごくって、キャロルに近づいていくとき、本当に歌詞の通り、目の中に星空が映っているんじゃないかと思うくらい雰囲気があるのがとっても素敵でした。うつくしさと色気と、ちょっと得体の知れなさと。キャロルを鞭打った後は、もう完全に恋に落ちてましたね。なんとなく、すでに恋という感情を知ってるからこそ自分が恋をしている状態であることにちゃんと気づけているという感じがしました。言い寄ってくる女性たちと感情の駆け引きをしたことがある人な気がするんですよね、本気だったかどうかはともかく。キャロルに対する脅しは脅しであって本気ではなかったような気がするけどどうだろう。でも傷つける気なかったなら戦場に連れてくるのはやめなさい。
殺陣が本当にかっこよくって、あの長いお衣装と髪をいなしつつの激しい動き、そしてあのジャンプ。戦いをやめたとき、髪が乱れているのがまた、勇猛な戦士でもあるような感じがして、素敵でした。あと、カテコでくるっと回るのも、すごくかっこよくてちょっと悔しいです!


アイシス

アイシス様!!!好きです!!!!!
朝夏さんと新妻さん、お二人で好きの方向性が全然違うけど、どちらも好きすぎて、私もお側仕えしたかった……。初見ではなかなか弟への恋というものが受け入れがたく、現代の価値観に縛られている……と、自覚を得られたのも面白かったのですが、3回観劇した頃には完全に好きになってました。ミタムンの件に関しては、政治の問題を考えると賢いやり方では決してないと思うので、どうしてああいうやり方しかできなかったんだろうなぁと、特に公演期間の後半はすごく考えてました。

朝夏さんアイシス様はわりと姉としての気持ちも大きいのかなと思っていました。メンフィスのことをやわらかく愛で包み込むような印象で、だからこそ、ミタムンとのシーンは毎回ショックでした。なんとなく、「女王として、弟の妃として、弟と並び立ち国を治める人生」しか教えられてこなかった人なのではないかと感じました。「女王」では半分しか満たせてなくて、「弟の妃」であることによって人生が完成するような。アイシスとメンフィスの親がどういう人だったのかわからないけど、既に2人が即位していて、両親はあの場にいないってことは、もうご存命ではないのだろうと思いますし、もし母親の遺言でそういうこと言われてたりしたら地獄だなって勝手に思っちゃってました。普通は、恋が成就しないからって人生まで終わるわけじゃないけど、それを含めて一つの成すべき人生みたいになっちゃってたら、それがうまくいかなかったときに人生そのものが失敗みたいになっちゃうから、しんどいですよね。誰かこの人に「弟の妃」以外の道も示してくれたら良かったのになぁ、なんて思ってました。
彼女はちゃんと失恋できる人なんだなって印象が強くて。最後、もう叶わないと諦めて、悲しんでいるような印象を受けました。メンフィスのことをとても大事にしていて、大事な人のためになることだと思えばどんな苛烈なことも出来るし、身を引くことがメンフィスのためだと自分の中で納得できたら、自分の気持ちを抑えて身を引ける人なのかなと思っています。最終的にすごくいじらしくてかわいい人だなと感じました。すっぱり諦めをつけて次の人生で幸せを見つけてほしい……。
あと、メンフィスが「ファラオとして」かな?を歌うとき、ミタムンと一緒に後ろからメンフィスに熱い視線を送っているのが、宝塚力!って感じですっごく好きでした。目がハートになって肩が上がっちゃうくらい熱烈なミタムンと、落ち着いて見えるけれども誇らしげに熱く見つめるアイシス様と、それぞれの恋の違いも感じましたし、宝塚の、娘役さんの視線が男役さんを格好良く見せ、男役さんの視線が娘役さんを美しく見せる、みたいなのがすごく好きなので、お二人の視線でメンフィスがきらっきらに見えるのがとっても素敵で楽しかったです。

新妻さんアイシス様は、もう立場とかそういうの関係なくて、とにかく全身で恋してましたね。恋するのも憎むのも感情に身を捧げるような激しさで、本当に好きでした。見てて自分の若い頃を思い出してしまう……いや私は人を傷つけるような言動はしてない……してないはずですけど、恋するあまり人を殺したいほど憎む、あの感情の激しさは、個人的にはとてもなつかしくて、いとおしくすら思います。ただその衝動を形にしてしまってはいけないんですよね。私は恋という感情の暴力性をコントロールすることこそが愛だと思っているので、暴力をそのまま行使するのは私は愛とは呼ばないかな。まあ、アイシス様は暴力を行使できる立場の方なので、それをためらわなかっただけ、とも思えば、彼女にとっては当然のことでしかなかったのかもしれないとも感じるのですけれど。メンフィスに拒絶された後の、感情に体が引き裂かれてしまいそうなほどの絶唱。その身におさまらないほどの激情。恋というものは暴力的であればこそ唯一無二の美しい感情であるのだと思います。永遠に彼女の恋情に触れていたかった……。でも、時間が経てば落ち着くと思うな。渦中にいると苦しいですけどね、本気で向き合った感情は、いい思い出になることもあるんじゃないかなと思います。アイシス様の今後、原作は4巻までしか読めていないのでまだ知らないのですが、どうやら切ない感じっぽい?彼女なりの幸せが見つかるよう祈っています。


ライアン兄さん

ビジュアルを初めて見たとき、本当にあの頃の少女漫画からそのまま出てきたような感じで、びっくりしました。シルエットも、お顔立ちも、何もかも完璧すぎませんか?幕が開いてみたら、こんなにかわいそうだとは……。誰よりも守ってあげたくなるので、もしかしてヒロインはライアン兄さんなのでは?と思ってしまいました笑
幕開きのキャロルと電話してるときのでれっでれのお顔が本当にかわいくて大好きすぎて、永遠に見ていたかったです。「宣伝するよっ」で小首かしげるのがめちゃくちゃかわいいし、その次の台詞の最後さりげなくウィンクしてますよね?最初はしてなかった気もするんだけど見逃してただけかな?気づいたときしぬかと思いました。最初電話を取り次がれているときは仕事モードのお堅そうな雰囲気なのに、キャロルと話し始めると本当に幸せそうでかわいくてかわいくて、キャロル、古代行くのやめません?私はこのかわいさが永遠に守られていてほしいのですが……。
キャロルがいなくなってからは、日によってふらふら度合いが違うのも見ていて楽しい、と言うと語弊がありますが、ふらっふらだと、大丈夫?ごはん食べられてる?ってなりますし、がんばってると、気丈に振る舞って……という気持ちになりますね。キャロルが戻ってきてからは、また甘々な表情が見られて、本当に大事なんだなと感動してしまいますが、2回目にいなくなったのを気づいたときが一番かわいそうで、ほんとかわいそう……キャロル……黙っていなくならないで……かわいそうでかわいい。
ツイッターの方も、毎回、バリエーションがすごくて、楽しませていただいております。あれ、最後どうなるんだろう……劇中では永遠にライアン兄さんにハッピーエンドは来ないですが……かなしい。楽しみにしております。


ミタムン王女

まず、綺咲さんのイメージが、星組さんを何回か観に行ったときの、はちゃめちゃにかわいいお姫さま、というイメージだったので、ミタムン王女、あのお姫さまがこんな……なんて仕打ちを……ひどすぎる……と大変なショックを受けまして、もしかして、これがヒッタイト兵の気持ち……?と、謎にメタな観点から感情移入しておりました。
生きてるときはほんっとうにかわいくて、野心とプライドもありつつ、恋に恋する少女のような、ちょっとミーハーな感じがすごくかわいらしかったし、それがその後の悲劇性を際立たせるように感じていました。原作と違って失恋も知らずに未来を絶たれてしまうところに、無邪気な子どもが殺されてしまうような惨さを感じて、本当につらかったです。
そして、その後もずっと、復讐に捉われた存在として戦争の旗印にされているのが見ていてしんどくて。確かに復讐を望んだのは彼女自身だけれども、亡くなった瞬間だけが彼女の人生だったわけではないので、ちょっとミーハーで好奇心が強そうでかわいらしい彼女のことも、ちゃんと思い出して静かに悼んでもらえていたら良いなと思っていました。
だから、最後セチと目を合わせるのにほっとしていました。正直あそこの解釈は難しいなと思うんですけれど、エジプトに置き去りにされてしまった本来のかわいらしい彼女の心を、セチが見つけて道を示してあげたのかなという気がして、安心します。復讐心以外の彼女もヒッタイトに戻れていたらいいな。
というのは役の感想ですけれども、復讐する彼女のダンス自体は、鬼気迫る感じで、とても好きでした。照明も、ミタムンだけを赤く照らし出すのすっごくかっこよかったです!宝塚の娘役さんだと、あそこまでの振り切ったマイナス感情を表現されることってなかなかないような気がするので(伯爵令嬢のアンナは印象的でしたが)、また素敵な一面を見られた気がしてうれしかったです。
あと、わくくんとのお化けポーズのツーショがかわいすぎました……ありがとうございます……。もうね、ほんと、あのお姫さまと!っていう気持ちが強くて、一人でめちゃくちゃテンションが上がっておりました。


ナフテラ

本当にお声がおうつくしい。ナイルの娘、まさしく清い流れのような歌声で、まるで讃美歌のようでもあり、とても素敵でした。曲のうつくしさと場面の薄暗さもあいまって、歌というよりも、神秘的な音のする楽器のようだなと、聴き惚れておりました。
ずっとキャロルの味方という印象で、いてくださると安心しますね。キャロルのお衣装がどれも蓮をイメージされているのが、かわいいしこだわりを感じてとっても好きなのですが、その衣装もナフテラがこだわって用意したのかな、大事に思われてるのかな、なんて、ほっこりしておりました。


ルカ

岡宮さんルカ。前半で抜けていかれるのを本当に惜しい気持ちで見送りました。ビジュアルを初めて見たとき本当におきれいで、舞台でのお姿も少しかわいらしい雰囲気があるのに、歌声がとてもかっこよくていらして、ギャップにやられてしまいますね。ルカの歌、台詞と歌のつなぎが難しいと思うのですが、すごくなめらかで違和感がなくて、ずっとお歌を聴いてたいなと思ってました。歌声の印象と、イズミルに相対するときの目の力強さかな、なんとなく重心が低めに感じて、ヒッタイトからの間者というよりもイズミルの部下として忠義者なイメージが強かったです。

前山さんルカは、とにかくお美しくて、しなやかで、切れ者という印象でした。間者としての能力が高そうで、いろんなところで暗躍してそうだなと思いました。イズミルと並ぶときも、なんとなく迫力が拮抗している感じがあって、頭脳でサポートして、いろいろ知恵を授けていそうな雰囲気だなと感じていました。

ルカはね、あのラストシーン、どんな気持ちであそこにいるんだろうと、内心を想像するのがちょっとこわくて、あんまり考えられていないのですが、ちょっとずつ原作の続きを読み進めて、もう一度考えてみたいなと思っています。


ウナス

前山さんウナス、ルカとは打って変わって、本当にかわいらしかったですね!!!美貌は変わらないのに、なんか目の大きさ変わってませんか?ルカは細い流し目のイメージだったのに、ウナスはきゅるんきゅるんでしたね……。どうなってるんだろう、あれ。それでいて頼れそうな雰囲気もあるのが素敵でした。

大隅さんウナスは子犬みたいなかわいらしさがあり……でも子犬みたいなのに、地下でキャロルをかばったりするとこはわりと力強くて、ギャップ……って思ってました(ギャップに弱いので)。テーベの街のときとってもかわいくて、大好きでした。一幕最後に、ミヌーエ将軍とウナスとセチと、3人、夕日の中を歩み去る光景が、かわいらしくて穏やかで、あそこで時が止まればいいのになと思ってしまいます。


イムホテップ様

メンフィスのところでも書いたのですが、帰還のときのメンフィスとの対面がとても好きです。メンフィスが大事でかわいくて仕方ないのと、ちょっといたずらっぽいお茶目さと、本当にかわいくて大好きでした!そして、そんなかわいらしいお方でありながら、お声の雰囲気が本当に「賢者」という感じで、とっても素敵でした。
最後、ヒッタイトとの戦の後に歌われる曲が、私はすごく好きで、厳かながらもあたたかい歌声にセチが送り出されるのも好きだし、メンフィスたちに対する深い愛情を感じさせるところも好きだし、なんだかいろいろな面で、一番共感しながら聴いている気がします。このお話、基本的には子どもたちのお話だと思っていますが、終幕前に、ひとつ、長く生きてきた大人からの視点から、子どもたちへの祈りが示されることに、ほっとするのかもしれません。


ミヌーエ将軍

私は原作は最初読んでいなくて、千秋楽より前に読むかどうか迷っていたのですが、ミヌーエ将軍のことを知りたくなって、途中でとりあえず4巻まで読みました。セチが鞭打たれてるときに、メンフィスの方を伺っていて、止める許可が出たらすぐに制止してくれるでしょう?あれがうれしくて、どうしてなの?優しい人なのかな?って思って読んだんですけど、優しい人だった!いや5巻以降でどうなってるかはまだ知らないんですけど、とりあえず優しい人なんだなと思いました。原作でアイシス様に告るところは、下心を見せるタイミングは今ではない!!と思うのですが、舞台ではそれもないし。ツイッターで検索してると、アイシス様に見惚れて仕事がおろそかになってるときがあるというのを見かけたのですが、そこは気づけなかったので……それ見ると少し印象変わるのかしら?
墓泥棒のシーンでアイシス様を背中にかばうところにすごくときめいてしまいまして、公演期間の終盤はわりとミヌーエ将軍を見ていることが多かったです。殺陣がパワー系っぽいのもめちゃくちゃかっこよくって、メンフィスがサソリに刺される前の、ヒッタイト兵との交戦のシーンで、柄の部分で殴ってるみたいなところにすごくテンションが上がっておりました。ヒッタイトで戦うところでは、ヒッタイト兵の剣を奪った後それで他の相手を刺すのがすっごくかっこよかった!
それから、メンフィスがサソリに倒れたとき、祈るように頭を抱いてらっしゃるときがあったと思うのですが、王として仕える相手だけれども、同時にとても大事な存在でもあるんだろうなと、普段は前面に出てこない関係性が表に表れているようで、好きでした。


セチ

さて、推しです。どう考えてもここまで、推し以外の部分で十分楽しみすぎていて、推しの出演作をこんなに楽しめるなんてすごく幸せだなと思うのですが、その上、このお役、期待していた以上にとても見せ場があって、本当にこんなに幸せでよいのだろうかと思っておりました。
あの、だって、まさか、主演の方が歌ってらっしゃる後ろで一人で踊るとは、ちょっと想像以上でした。もうほんとに幸せ……。そもそもこんなにダンスのある役って、今までそんなに多くはなかったと思うので、ちょっとしたところでダンスもがんばってらっしゃるのかしらと感じる部分はあったのですが、今回、一気にこれまでに増されてきた魅力を見せつけられた気がします。そして、ダンスにも、もともと持ってらっしゃるお芝居の表現力が乗っている気がして、やっぱりわくくんの表現がすごく好きだなと思いました。振付も、長い腕が映える振りが多くて、腕を大きくなめらかに動かすのも、力強く動かすのもすごく素敵でした。イズミルがキャロルを誘拐するときや戦いのシーンではリフトもあって、シーンとしては心が痛かったりもしますが、見ていてほんとに楽しいです。
また、セチという役、物語上の役割としても、古代エジプトという、現代とは価値観の違う世界への導入であったり、その死が、キャロルが古代エジプトで責任ある立場で生きていくことを決心するきっかけになるなど、大切な役割を担っているのかなと思うので、こんな大事なお役を任されて……と感無量でした。
そして、キャロルへの感情。台詞としては明言されないけれど、キャロルが古代に戻ってきて、妃にすると言われたときの表情の変化がすっごく好きでした。大げさなわけではないのに表情だけでこんなに伝わるなんてすごいなと思うし、本当に切なくて。自分の中に生まれた苦しい感情を静かに自覚して、静かに飲みこんで、「キャロルを守りたい」という純粋な感情だけをキャロルに贈るのがとても尊いなと思います。
メンフィスの歌の後ろで踊るシーンでは、まずメンフィスお二方の歌がとてもうつくしくて切なくて、そんな中で踊ってらっしゃる姿に、立場や交わした言葉は違っても、同じように愛しく、大切で、守りたいのだなと感じました。剥き出しの感情を、全て叩きつけるかのように踊っていて、こんなにも激しい感情が内にあるのに、キャロルに直接ぶつけることはないのが、切なくて、でもそういう道を選ぶことは、少なくとも私には難しいなと思うので、すごくかっこいいなとも思います。奥の方で踊られるところでは、照明もとてもきれいで、砂漠の夜空の星々に照らされているかのように幻想的だなと、見惚れておりました。
この作品で、私が一番しんどかったのは、キャロルが奪われたことがわかって「戦争だ!」と歌うシーンでした。もうね、メタなんですけど、毎回新鮮に傷つくんですよね、誰よりも守られていてほしい人の口から「戦争」って言葉が出ることに。現実でそんなことが起こらないように、ちゃんと考えて生きていかなきゃいけないなって思いますし、そういう風に感じさせてくださることがとてもありがたいことだなと思っています。
出征のシーンで、アイシスとキャロルの声が重なる「どうか大切な人のもとへこの祈りよ届け、どうか災いを避けて」、この歌詞に本当に共感していました。異なる時代、異なる価値観の元で育った性格も全然違う2人の声が重なるということに、この感情の普遍性が表されているようでとても好きです。この2人は恋する相手に向けてですが、ナフテラやセフォラも同じように思っているでしょうし、ミヌーエ将軍やウナスがメンフィスに向ける気持ちにも、少し形は違うかもしれませんが、同じようなところもあるんじゃないかと思います。この作品は、少女漫画らしい強引な愛情表現が魅力でもありますが、繊細に相手を思う心もそこかしこに見てとれるような気がして、そういうところもこの作品の好きなところの1つだなと思っておりました。
ただ、私は、セチの生き方自体はかわいそうだとは思わないんですよね。自分で選んで自分で決めた道を全うしたので、満足だったのではと思いますし、格好良い生き方だなと思っています。最後、奥に消えていくときの笑顔がうつくしくて、悲しいけれど、キャロルを守るという道を迷わず歩めてよかったねという気持ちになります。

今回めちゃくちゃ感想を検索してたんですけど、わくくんの魅力に新たに気づかれた方も多いみたいで、そんな方にはぜひ4月にやってらしたこちらの公演のDVDも見ていただきたいです!すごく希望のような、前に進んでいくための推進力をくれるようなお役でした。とってもかわいいお歌とダンスのシーンもあるのでぜひ!(突然の宣伝すみません)
32nd note 「無題-1[MONO]-」 DVD【★特典付き★】 - One on One - shop

そして、12月の公演は、主演ということで、とっても楽しみです。初演も拝見しておりまして、題材としては万人向きではないのかなとは思いますが、すごく考えさせられるという意味で、とても面白い作品だし、難しい役だと思うので、どのように表現されるのか楽しみにしております。
オフ・ブロードウェイ ミュージカル 「キッド・ヴィクトリー」 | 浅草九倶楽部/浅草九劇


セフォラ

本当に優しくてあったかい雰囲気で素敵なお母さんでした。私、わくくんは「母さん」という台詞が世界一似合うと思ってるので、いっぱい聞けてうれしかったです。息子力が高い……。
セチに関して、かわいそうとは思わないと言いましたが、セフォラとの別れのシーンは、2人の間にやさしくやわらかい空気が流れているような気がして、それが余計に切なくなります。そして、セチが去って行った後、残されるセフォラが心配でしばらく直視できずにいたのですが、公演期間の終盤になって、やっと目をそらさずに見てみたら、ああそうか、セチが守りたかったのはキャロルの笑顔だものね、と納得しました。正直、あの流れで祝福の場にいることって、つらいと思いますし、笑顔でいらっしゃるのも見ていて痛々しい気持ちがありますが、悲しみと喜ばしさが共存しているように感じられて、息子が命をかけて守りたかったものが守られているということに、一筋の希望を見出していくのかな、そうであってほしいと思っています。

 

その他の方々も、皆さんとても素敵で、特に原作を読んでからは、この方はあのキャラクターだったりするのかしらと、考えてみるのも楽しかったです。ナイルの川の表現はとてもうつくしくて大好きでしたし、華やかなダンスも見ていてすごく楽しくて興奮しました。戦いのシーンの剣舞もとってもかっこよくて、音楽も最高でテンション上がって、全部の瞬間が楽しい作品でした。
衣装もとても素敵で、特に女性陣の髪飾りやアクセサリーが本当に好きで、それだけでも楽しかったです。カーテンコールのメンフィスとキャロルの金色のマント、なんとも豪華で、カテコのためだけに!?景気がいい!!!と最高にテンションが上がりました。まずマントが大好きなので……布はあればあるほど良いものです。あと、アイシス様の赤いお衣装の袖の、ひだの作られ方がとても素敵で……布の重なりによる濃淡と陰影が美しかったですね。お衣装展とかやってほしいなぁ。近くで見てみたい。
セットのヒエログリフも、意味はわからないけどすごくかわいかったし、開演前と休憩中の幕と照明で作られたナイル川の湖面のような表現も美しくて大好きでした。

 

本当にとっても楽しくて、幸せな時間でした。博多座の千秋楽まであと少し、関係者の方々の大変なご尽力でここまで至られているのだと思います。どうか最後まで、この素敵なカンパニーが守られますようにと、お祈りしております。

 

 

獣道一直線!!! 観劇日記

※ネタバレ配慮しておりませんので、観てからお読みいただくことをお勧めします。

けっこう回数観る予定なので、感じ方の変化とかを残しておくと面白いかなと思って、毎回できるだけその日のうちに思ったことを書き残しておくことにします。
覚え書きなので文章は適当です。脈絡はあんまりなく、思ったことを素直に書きます。ときどきほんとにただの日記。

 

1週目

10月6日 19時
  • ラストシーンの成志さんのビジュアルが強すぎて全部持っていかれてしまった。あんなのずるすぎる……ありがとうございます……。検察官のお衣装で出てきただけでかっこいい!!!って思ったのに、そのお衣装で、人だったものを……。もともとグロいのわりと好きな方なので、実際の労働災害事例に頭の片隅でごめんなさいしつつ(まあ事故ではないですけど一応職場の衛生管理者だからいろいろ思い浮かんじゃうじゃん)、大興奮してしまいました……。指先に少し血糊が付くのがが美しくてたまらなかったですね……。過去作のDVD観てあんまりビジュアル方面の期待はしてなかったんですけど、医者と検事でわーい!って思ってたら、最後にあんな最強の絵を持ってこられるとは……ほんとありがとうございます。

  • ラストシーンのせいで最後の方の展開の記憶が吹っ飛んでしまったんですけど、まだ回数観るので大丈夫なはずです。大丈夫なはず……。

  • 池谷さん演じる松戸かなえ(苗田松子)、最初は冴えない雰囲気を出しつつも、どんどん魅力的になられて、ほんとかっこよくて素敵でした。特に裁判のあたりからの声が美しくて。なんかね、魅力的なのは良いことじゃないですか。ネット上では飾っていたのかもしれないけど、対面ではそのまま勝負してる感じがかっこよくて、同性としてはそこに憧れるよね。だめなのは人を殺す(殺させる)ことで、良くないのは同時に相手の同意なく複数のパートナーがいること?お金目当てでお付き合いすることが「騙した」ってことなの?私は人は殺したくないし、特にお金目当てでのお付き合いもしたくないかな。そんな当たり前のことを改めて確認したくなるくらい観てて感覚がおかしくなってくるのが面白い。なんか、こちらまで謎の万能感を感じてきちゃう気がする。危険。

  • 2人目の藪中と結婚生活を営んでいたというのがなんだか不思議で、侘しいような気分になってしまう。保険金かぁ。お金ほしいって気持ちはわかるけど、でもそれだけで生活を共にできるのかなぁ。1人目の野呂が捕まった経緯もかなえのせいな部分少ないし(そもそも現実なのか創作なのかごちゃごちゃだけど)、なんだか悲しい背景がついてしまったようでもやもやする。「松戸かなえ」にそんなのいらなくない?って思っちゃう、こうあってほしいという理想を持ってしまう、それがまた術中にはまってる気がする。

  • 宮藤さん演じる関武行、めちゃくちゃムカつくんですよね。まず取材の動機が失礼じゃないですか?悪いことしたからって何言ってもいいわけじゃなくない?言っちゃいけないという認識があるから言葉は濁してるけど、本当に悪いと思ってたらもっと隠すでしょ。人を自分の価値観ではかっておいて、そこから外れるものはおかしいみたいなのもほんと腹立つ。自分が理解できないものがこわいから自分とは違うって確証のための理由が欲しいんでしょ?再発防止に原因究明は必要だけど、「普通」とは違う異物として切り離すための理由付けがしたいだけなら、わからないままの方がまだ誠実だと思う。なんか「男ってクソ」って思う部分の煮凝りみたいな人だったなと思います。まあそういう心の動きは性別関係ないとは思うんですけど、男性の自然な上から目線が滲み出ていてほんとムカついたな。最後ああなってスカッとしちゃった。いやあんなんでスカッとしてても何の得にもならないし周りは周りで狂気なので、ここで溜飲下げてちゃいけない気がする……。

  • 山本さん演じる関かなえが、女性の怒りを担ってくれているようで、すごく好きでした。こっちのかなえが怒ってくれるからこそ観られる話になってるし、それを書ける宮藤さんすごいなって思います。男性ってこういうのわからないものなんだって諦めてたから。でも、かなえ(松戸)を真似しちゃうところからは、気持ちを代弁してくれる存在からは外れていっちゃうので、もやもやは残りますね。「自信がある人」に憧れるのに、真似しかできないの、なんだか切ないな。夫との馴れ初めの話からすると、理不尽にジャッジされる側のルサンチマンみたいなとこあったのかな。あの経緯でなんで結婚したかは謎すぎるんですけど。ありさの件が他の人と共有できるようなものではなかったからなのかな。

  • という感じで、美人だろうが不美人だろうが、そういうジャッジを一面的に下そうとしてくる世間に傷ついたことのある女性は多いんじゃないでしょうか。だからかなえ(松戸)やかなえ(関)にパワーを貰えるような気分になる。

  • とは言え最初にビジュアルの話してる私もブーメランかなと思ったりもしつつ。でも、何に価値を見出すかは人それぞれじゃないですか。それを自分の価値観だけでばっさり理解できないって言えちゃうのが嫌なんだよね。私の友人たちは私がどこでどう狂ってようとあたたかく(?)見守ってくれるので。被害者側が入れ込むことを不可解だと思うのが自然みたいな態度が気に食わないのかも。無自覚なマジョリティしぐさみたいな。それこそテレビの世界とかって、一面的な価値観の物差しで、有り難がるものと見下していいものの序列を押しつけてくるように感じていて、それと同種の押しつけがましさを関から感じているのかな。自分の価値観が正しいのが当然で、疑ったこともないからそれを揺らがされたくないんだろうなぁ。そういう無神経さにムカつくし、自分はそうなりたくないなぁと思う。けどやっぱり自分がマジョリティ側にいるときって誰かを踏みにじっていることに気づけないことも多いから、できるだけ気を配って、それでも失敗したら繰り返さないように気をつけるしかないよね。

  • かなえ(関)は夫のことを「古い」って言ったけどさ、古いとか新しいとかじゃないよね。「もう令和ですよ~」って笑って言ったりするけどさ、最後通告ですよね。今までだって不快だったけど、怒りを抑圧されてただけ。恨まれてることにも気づいていなかったのなら、むしろ言葉にする風潮になってきただけ今の方が親切なんじゃないかしら。

  • 女だからか、お話的にはとにかく女性2人の方に興味を持って観ちゃったな。男性陣の方にも興味を持って観ていきたいですね。

  • 玉突き事故のところは効果音で鳥肌立ったし、新鮮に怒りを感じました。でも個人を追及するのではなくて、よりよい制度設計を追求すべきだと思うんだよな。

  • 骨董通りのP最低だったなぁ。まあ戯画化されてるから笑うんだけど、大元の若い女の子たちを精神的身体的に追い詰めて見世物にするやり方ほんと最低って思ってたのを思い出す。本体のイベントには行かずにソロライブだけ参戦してるから、最近の様子はあんまり知らないけど、あの悪趣味な「サプライズ」はなくなったのかな?ツアータイトルすら追わなくなっちゃったね。

  • 藪中家が燃えちゃうの悲しかったな。料理が無駄になる描写とかでもそうなんだけど、がんばって作ったものがダメになっちゃうのってしょんぼりする。私はもう少し藪中母のことも考えるべきなのでは。あのあたりスピード感がすごすぎて気持ちがついていってないな?まあ勢いに飲まれるのも悪くないでしょう。

  • 今更鷹匠にじわじわきてるんだけどなぜ?時間差で謎にツボってる笑

  • 鮨屋さんの角刈りの山本さんとってもお似合いでかわいかった!

  • 鮨屋さんの池手さんは特に自然体っぽい雰囲気できゅんとしちゃった。

  • どつぼちゃんにハマりそう。

  • がおがおーの踊りかわいかったなぁ。

  • 生汗勝々さん、語感が好き。

  • 笑ったところもたくさんあったしすっごく楽しかったんですけど、なんかマイナス感情多めな内容になっちゃったかな?何か観てムカついたことを掘り下げるのが好きんですよね。「その人を知りたければその人が何に対して怒りを感じるかを知れ」ってミトさんも言ってたじゃん?異質なものと出会って自分の怒りポイント掘り下げるの、「自分が」観たって感じがしてたのしー!観劇の好きなところ、いろいろあるけど、自分の輪郭が明らかになるの、すごく好き。


10月7日 19時
  • がおがおーの踊りほんとにかわいい……めちゃくちゃ好き……。

  • やっぱり最後成志さんの手が赤く染まってるのを目にした瞬間、心拍数あがる気がする。

  • その前の証拠隠滅に思い至ったときのお顔もめちゃくちゃ好きだったな……。得体の知れない感じの笑顔最高すぎる……。ほんとかっこよすぎない!?全体的にも一瞬で空気が変わる感じが好きでした。

  • 2回目にして藪中さんのラブホのシーンがかわいく見えてきてやばい……。初日の私はまだ成志さんだからといって気持ち悪いと思う感性を手放してはいなかったはずなのに……かわいいと思っちゃうの早すぎない?

  • 舞台上で医者から検事に早替えするところがあるんですけど、背を向けて歩きながら眼鏡かけて白衣脱ぐのがかっこよすぎるので皆さん見てください。

  • 何が何だかわからなくなってきたので、友だちに付き合ってもらって「騙される」って何を騙されてたの?って部分をちょっと整理してみたりしていました。男たちはきっと何らかの良いことを期待してお金を融通したり殺人に手を染めたりしたけれど、その期待が果たされなくて捨てられ(殺され)ちゃうことを世間は「騙された」って言ってるのかな?騙される……騙され……騙されるって何?お金に関しては別にいいじゃんって思っちゃうんですけど、倫理的な一線を踏み越えてしまうのはやっぱり洗脳的な何かってことになるのだろうか。うーんわからん。私は何かを決めるときに自分の意思を手放したくなさすぎるけど、もっと流されていたい人もいるだろうし、そういうときに強い力で押し流されるとそうなるのかな?

  • でも結局世間(=関)の興味って、なぜその容姿で?ってところに向けられてる気がするから、それがやっぱり気に食わない!!!何かを欲しいと思うことに理由なんているの?

  • あの中で一番自分に近いなって思うの、かなえ(松戸)なんですよね。保険金殺人はしたいと思ったことはないし、あんな風に男を手玉に取れるとは思わないけど、私、自分のこと好きなので。容姿がどうであろうと、別のとこに自信あれば、自信満々で生きてたっていいじゃんね。

  • でもやっぱり人殺してまでお金ほしいとは思わないよな。自信を維持するのにずっと大金が必要だったんだろうか。ちやほやされたいだけなら搾り取れるだけ搾り取って乗り換えれば良いだけだし。それとも、殺人まで犯してもらえることも自分を価値づける一つの手段だったのかな。結局彼女の自信は彼女の中ではなく、外にあるものだったんだろうか。

  • 初日に買ったリップがマスクにも付かないし色も合うしでご機嫌です。まあマスクしてるから誰に見せるわけでもないんだけど。


10月8日 19時
  • 今日も成志さんかっこよかった~!

  • 風のとこ、上手で一人で続けてるとき、謎にパントマイム混ざってて笑った。

  • 風関連の他のシーンだと、関さんに身体表現教えようとする?とき、暗くなっても盆回りながら風続けてるのかわいくて好き。

  • あと、本物の風が吹いてるときも少しやってて笑った。どうしても本物の方に目が行くから今日気づきました。

  • かなえさん(関)の「あれ~今なんで怒鳴られた?」ってセリフが好きすぎるんですよね。言ってやんな!!!って気持ちになる。
  • 関さんの台詞でも、いっこ言い方がめちゃくちゃ好きなのがあるんだけど、なんて言ってたか忘れちゃった。

  • かなえ(松戸)さんの好きな台詞はあなたのために世界があるわけじゃないみたいなやつ。覚えとこうと思うんだけどいっつも忘れちゃうな。わかる~!!!ってテンション上がりすぎてちゃんと覚えてられない。

  • このお話は私にとってはたぶん客体化を逃れたい話なんだなぁと思った。

  • まあ私自身はだいぶ逃れてると思うけど、やっぱり世間からの圧を間接的に感じるとうんざりしちゃうよね。

  • インタビューでコロナのことは忘れてみたいなこと言ってたからコの字も出てこないのかなと思ったら、ネタにされまくってて笑ったし、やってられるか~~~!!!って気持ちは観てる人もみんなそれぞれあると思うから、ああいう形で笑わせてくれてなんだかすっきりしたな。

  • 今日は疲れたので短めで。明日は観劇はおやすみ!ゆっくり仕事します。


10月9日
  • 今日は観ないけどいろいろ考えてました。
  • 初日から3日続けて行って、1日空いただけでさみしくなっているので困っている。この先どうやって生きていくつもりなの?演劇ってたぶん非日常のはずなのに、私みたいなのはこっちを日常にしちゃうからさぁ……。

  • ともあれラストシーンの成志さんのビジュアルに正気を失っていない今が最後の方の展開について思いを巡らすチャンスですね。

  • 演じられてる方(望月さんたち)ではなく演じてる俳優側(生汗さんたち)は、たぶん騙されてるわけじゃないんだよね。若いパートさんたちには興味なくて、苗田さんが興味深いから取り巻きになってる。「面白いよね、普通のおばさんがね」みたいなこと言ってるとき、今までの流れなら私怒りそうなのに、全然腹立たないんですよね。距離感の問題なのかな?すごくドライで、男/女というよりも"素材"みたいな雰囲気を感じるから、さっぱりしてて好きなんですよね。

  • たぶんあの人たち面白いお芝居できればなんでも良いんでしょうね。芝居のためなら倫理も不要。"人間以下のケダモノ"を貫くのね。

  • 獣道一直線、由来を聞くと小学生男子のノリで付けられたとしか思えないこのタイトルにちゃんとした意味を付与する宮藤さんすごい。

  • 人として倫理観ぶっ壊れてるのは困るけど、役で倫理観ぶっ壊れてるのは最高ですよね♡

  • そしてまた意識がラストシーンの成志さんに戻る。毎回血糊の付き方違うけど、初日の指先に少し付くくらいが私は好きですね、なんか上品に感じて。でも2回目手のひらにべったり付いて、拭き取った後も少しピンクに染まっているのも良いなと思いました。3回目の指にべったり、手のひらにはあまりつかないくらいがわかりやすくてくどすぎなくて、好きかなぁ?

  • あっ言い忘れてたけど、ミンチされたやつに触る前に片袖捲る仕草も大変素敵ですよね!!

  • 騙されるってなんなんだろうってなんだかずっと考えてる。わりと性善説で生きてこられちゃったからな……。あんまり警戒すべきシチュエーションに慣れてないから、それこそ婚活とかすることになったら気をつけないといけないんだよなきっと。今のところ結婚したくないけど。最寄り駅とか簡単に教えちゃダメだよってこないだ友だちに言われたっけ。


10月10日 19時
  • 今日も楽しかった~~~!!!土曜日だからか今まで観た中で一番人が入ってる気がしました。やっぱり人入ってると反応の圧も違って楽しいね。

  • 1日空けたら恋しくなりすぎてしまった。え、毎日観たくない?いやでもこれ以上お金かけるのはさすがに……どうしよ……。月曜と水曜おとなしく仕事してしにそうになったら考えよう……。

  • やっぱり観ると最後の成志さんのやばい笑みが頭から離れなくなっちゃう。他のことも反芻したいのに。今日は前のシーンから両腕とも腕まくりしてましたね。血糊はMP関節のあたりまでついてて、手を曲げて持ち上げたそこまで血が付いたんだなぁってちょっとリアルな感じが良かったです。これ何の講評?

  • 今日は演じられている側よりも演じている側に意識を持っていきながら観ていたら、生汗・池手・古新太のお三方がだんだん仲良くなっていくんだなって感じてかわいかった。後半とか特にわちゃわちゃしててかわいいですよね。仲良し。なんせ人殺すところまで息が合っちゃうんですものね。

  • 拘置所(でいいのかな?)以降のかなえさん(松戸)、望月さんのこと持ち出されたり、事故の話になると、いつもと違う様子になるの、なんなんだろうな。どこまでが現実でどこから芝居なのかもあやふやだけど。証言されるのが困るのか、でもそれ以上の感情も見える気がする。彼女が何を感じているのかわからない。わからないって、素敵だよね。わからないから気になる。わからないから見ていたくなる。全部をわかれるなんて思ったことないけど、それが舞台に乗ってる以上は近づこうとしていたい。

  • 風のとこは、今日はわりとバレエっぽい振りをしてたな。最後ちょっとだけパントマイム入ったけど。

  • 愛さんの静岡弁で予備校時代の友だちを思い出してすごく懐かしくなる。テンション上がったときだけああいう話し方してたなぁ。


10月11日 14時
  • 今日、お髪がなんだかあまり大人しくなかったのか、冒頭のシーンの途中からセットが崩れてるのがかわいかったのですが、たしかお歌の途中で崩れた髪をかき上げてて、このシーンでかっこいいのは聞いてない!!!って思いました。

  • 昨日からかな?医者→検事の早替えで眼鏡かけるタイミングを早めにされてて、かっこいいとこ見えないなと個人的には少し残念でしたが(でも手際が良いのはかっこいい)、やっぱり白衣を脱いで聴診器むしるのはかっこいいです♡

  • 今日の客席の空気が好きだったので、ラストはオペラグラス外してました。成志さんだけ見てたいけど、全体も観たい。最後張りつめた空気になってて楽しかったな。本当に皆さんの悪い顔かっこよくてぞくぞくしますね。なぜ視界は2画面表示できないんでしょう。

  • 今日の血糊はあんまり濃くなくて、少し濃淡が見えたのがなんだかちょっとリアルでよかったです。今日の血糊のコーナー。私にしか需要がないのでは?私の日記だからいいの。

  • 骨董通りのP、外見はあの方ですよね?なんか方向性違いすぎて向こうの女オタクに怒られるんじゃないかと勝手にどきどきしてしまう(笑)いや別に私は自分の推し以外のことは詳しくないんですけど、わりと友だちには多いので。アイドルもいろんな人のいろんな憧れや夢を押し付けられることも多いだろうからいろいろ大変だよね。私はやっぱり強かに自分を表現できる人が好きだけど、強くない人が食い荒らされていいわけないじゃんとも思う。というかほんと、しんどいところを越えて素敵なパフォーマンスを見せてくれるから幸せになるし尊敬してるしお金出すので、こんなに大変なんですよ~って痛めつけられてるとこ商品としてお出しされるのは嫌だな。いやこれはただ単に私が裏側見せられるのが嫌いなだけの悪口なのかもしれないんですけど。でも作られてるってことは需要あるんだろうな……そういう世の中私は嫌だな……。とかなんとか考えながら推しのYouTubeチャンネル見てたら、ファンにもちゃんとダメなことはダメって言ってくれる強さとパフォーマンスに見える信念がやっぱり大好きすぎるなって思いました。

  • それにしても義賀さんとどつぼちゃん、見つめ合ってるだけでなんであんなに面白いんだろ。大好き。

  • なんだかね、観てて善悪の区別がごちゃごちゃになってきちゃってたんですけど、今日シンプルに、自分が害されたくないから人を害さない、自分が尊重されたいから人を尊重するっていう原則を思い出しました。だいぶ混乱させられてたな。シンプルにそれだけでいいんだ。「良心の呵責はないんですか」ってセリフで、リョウシンノカシャク……???ってなっちゃって。だってたぶん人とも思ってないから殺せたんでしょ、それなら後ろめたさも何もあったもんじゃなくない?って思っちゃうから、良心の呵責って何だっけって一生懸命自分が良心の呵責を感じるシチュエーションを考えてたんですけど、かなえはかなえの論理で動いてて、私は私の論理で動いてるから、あんまりそこにこだわる必要なかったかなって思い直しました。まあ私はわりと社会の役に立ちたかった人間だから、今好き勝手生きてることに後ろめたさを感じることはままありますが。

  • テーマ曲の歌詞めちゃくちゃかっこよくないですか?なんか今日急に、えっ!?かっこいい!!!!ってなってしまった。いやなんか昨日くらいからふわっと思ってたんだけど、今日一気に来た。今更?やっとそこまで受け取れる余裕が出てきたのかな?特にラストシーンの方、自虐したかに見せてそれ以上の、現実を食ってしまうような得体の知れない力強さがほんとかっこいい。歌声もかっこよくて、頼もしくて、いつまでもついていきたくなっちゃうな。いつまでも違う世界に連れて行ってほしいって思う。私は独り身だしテレワーク可だし個人で取れる感染予防策は万全にしてるつもりだけど、やっぱりこんなに観劇してて叩かれないかなって不安はあるので、よけいにあの力強さに惹かれてしまうのかも。

  • 歌詞が「裏切り者」って変わるのもぞくぞくしますよね。あの異様な雰囲気本当にかっこよくて……もーほんとに大好き!!今日急にこうなったの、客席の緊張感にあてられたかな?

  • でもさ、ほんとに「不要不急」って言葉が良くないよね。そりゃあ感染症対策は大事ですよ。けど「不要不急」って価値判断が入るような言葉でしょう。何が「不要」で何が「不急」かって、自分の持ち物の範囲内でしか決められないことであって、誰かにお前が大切にしているものは「不要」だとか「不急」だとか言っていいわけないじゃん。たぶん、「生命の維持の上での必要最低限」って意味だったんだと思ってるし、医療資源が逼迫してて感染経路や重症化の機序もまだ不明瞭な状況下で必要なことだったとは思うんですけど、それを「不要不急」って言い方するのは言葉への感度が鈍すぎないかと思う。言いやすいのは浸透させるために大事だけど、こういう、個々人が自分だけの問題にできるわけじゃない状況で選択する言葉じゃなかったんじゃないかな。(あとやっぱり満員電車OKなのはダブスタじゃんって未だに根に持ってる。)私は私の大切な場や大好きな人たちが「不要不急」って言葉で括られちゃうのが本当に悔しかったし、大切な人の喪失感や悔しさを引き受けることもできないのが悲しかったな。そういうの抜きにしても、私は観劇してるときの感情が躍動する1分1秒を大事に生きていたいし、それこそ学生さんとか人生のその時期にしかできないようなことがある人とか、何か人生の大勝負みたいな時期だった人には本当に貴重な時間だったはずで、それを全部「不要不急」って言葉で表現していいとは全然思えないよ。

  • なんてことを考えてて、私はとにかく自分の価値判断を他人からジャッジされるのがめちゃくちゃ嫌いなんだなと思いました。関さんにキレてるのもおんなじところなんだよね。誰かが価値を置いたものを自分の価値観が絶対的なものだと思って否定してくるのほんと嫌い。別に誰かが私の好きなものを嫌いでも構わないし、その嫌いって価値観も否定されるべきものではないと思うけどさ、私の好きって気持ち、必要だって思う気持ちまで否定されるのは許せない。私が私の人生の中で何を愛して何を欲するかも、何を不要で何を不急とするかも、私が私で決めるから、誰にも口出しされたくない。それだけなんだな。

  • そんな風に思えるのって、たぶん今まで私が関わってきたいろんな人が、私の何かを好きって気持ちを尊重してくれたからだと思うの。これが私の宝物なのってお話すると、いいね、素敵だね、楽しそうで良かったねって言ってくれる人がいっぱいいてね、それがいつもとっても幸せだなって思うんです。私が私であることを認めてくれる友だちがいる環境に本当に感謝してるし、私も私で誰かが何かを好きなことを肯定しながら生きていきたいなって思う。

  • あーでもほんと、ほんとかっこいいな!!!楽しい大好きって気持ちにずっと浸ってられるの、すっごくしあわせ。やっぱりこれが私の日常だな。


10月12日
  • 休演日!まず1週間無事に終われて本当に良かったです。このまま何事もなく、無事に大楽まで行けてほしい。とにかく健康だけは守られていてほしい。

  • 配信の情報も解禁されましたね。でもやっぱり現地がいいよって誘ってたりしたら、いつにしようかなって言ってた一人がチケット購入に至ってくれたり、沖縄出身の友人が地元のご友人に拡散してくれたりしてうれしかったです。私?どっちもチケットがあるので配信見られませんね!!強欲なので配信も観たかったな~。

  • 日記も運動もペン習字も1日で終わっちゃう人なのに、珍しく1週間続けられました。毎日お芝居のこと考えてるのはいつものことだけど、ツイッターだと散らばってっちゃうのをまとめて残しておけるのは良いかも。文章の体を成してる自信はないけど、たぶん日記にはなったでしょ。2週目も続けられるかはわからない。これ公開して大丈夫かなぁ。

  • 今日はいろいろ反芻しつつ、これのメモにしかなってなかったとこを日本語っぽくしつつ、幸せに浸りつつ、お仕事がんばりました。明日も楽しみだな。

 

2週目

10月13日 19時
  • 生瀬さんお誕生日おめでとうございます!!!いつもは「もうすぐ60歳になる」って言うところが「今日60歳になる」になってて、おめでとうございます!って思いながら聞いてました。かまぼこケーキも素敵ですね。

  • 今日も成志さんかっこよかったです。でも後方最上手だったので最後ちょっと遠くてさみしかった。嘘です2日に1回観られるのうれしいですさみしくないです。ほんとに端っこだったので表情がよく見えないときもあったんですけど、冒頭の池谷さんが歌い出すところで肩甲骨の動きが見えて、素敵だなと思いながら背中を見てました。自分のツボがよくわからない。

  • 今日、単に私がいつもよりよく観てただけかもしれないんですけど、関さんの追い詰められ具合が好きでした。何日か前に書いた、関さんの好きな台詞、かなえさん(松戸)に子どもの話持ち出されたときの台詞なんですけど(やっぱり言葉を覚えてない)、あの何も取り繕えていない、素で焦っているような声音がすごく好きなんですよね。そこからしばらくオペラで追ってたんですけど、なんかこう、追い詰められているものの抗いたい気持ちは失ってない雰囲気に、ちょっと嗜虐心をそそられるようなところがありますね。

  • それにしても関さんはかなえさん(関)のどこが好きだったんだろう。ありさの件の後守ってあげなきゃいけなかったところとかかな?出産以降の描写ほんと腹立ちますよね(笑)

  • 骨董通りの反面教師が頭から離れなくなっちゃって、観る前も観た後もずっと頭の中回ってるんですけどどうしてくれるんですか。もうどつぼちゃんしか見えない。

  • サイゼリアの店員さん、なんか愛おしすぎませんか?特に理由もなくすごく好きです。公演期間中に1回は行きたいサイゼリヤ

  • ところでドリンクバーの「すっぽん生血ドリンク」?が気になりすぎるんですけど。店員さん、鷹匠さんをやべーやつ呼ばわりしてるけど、それがドリンクバーにあるのもだいぶやばいと思います。

  • 望月さんと苗田さんのアプリ上でのやりとり、本当に声が良いですよね。内容アレだけど耳が幸せだなと思いながらいつも聞いてます。

  • 検事さんから運転手さんの早替え、たぶん4秒あるかないかくらいですよね?ネクタイとベスト取って帽子被ってジャケット羽織ってっていう変化だと思うんですけど、それをあの時間でできるのが意味わからなくて毎回魔法みたいだなって思ってます。

  • ラストシーンやっぱりほんと最高だな……。生汗さんが関さんに詰め寄ってるところで古新田さんが池手さんをちらちら見てるのが好きだなって思いました。池手さんの方も相当キてるの、あの何か月かの付き合いでわかるようになったのかな。その後キレる池手さんもめちゃくちゃ好き……。池手さん、基本的には物腰やわらかいし、イラっとしててもそれを口に出すかどうかは選ぶタイプだと思うんですけど、そういう人が自分の演じたものを世に出せるかどうかってところで本気でキレてるの、良いですよね。やわらかい印象の人が譲れない部分に触れられて一気に態度を硬化させる、その印象の変化がたまらなく好きです。なんていうか、絶対に懐柔できないし、生き物として勝てない気がするくらい、ぐっと男性性が凝縮されたように感じるんですよね。本当にかっこいい。

  • 今日の血糊はたぶん10日の夜くらいの感じでした。が、それよりも、下にたまっているのをバケツに移しているときに機械の口から落ちてきたのが腕にかかったように見えて、実際には特に袖口とかに血糊は付いていなかったんですけれど、袖口のあたりに血飛沫がかかっているのが「見え」てしまって、私の頭の中だけ大変でした。大変でした。


10月14日
  • 今日も観ない日ですが、ふわふわと考えたことを。

  • 「お母さんになっちゃったんだねぇ」という台詞、この世の地獄を煮詰めたような台詞だなぁと思っています。かなえさん(関)が赤ちゃんおぶりながら家事してるとこの後の台詞ね。こればっかりは成志さんが言うからといって誤魔化されません。妊婦のかなえさんに、「そうやって私をお母さんにするんだ」だったかな?そう言わせておいて、出産後に「お母さんになっちゃったんだねぇ」という世間の評価を与えて終わらせる。ミンチよりよっぽどうすら寒いわ。「普通のおばさんじゃん」「お母さんっぽいじゃん」なんだよそれ。「母」になったら「女」の魅力は失われるってか?彼女を100%「母」でしかいられなくしたのは誰?自分だけ役割を変えずに好きに仕事しているのは誰?

  • 宮藤さんの作品に詳しくないので、何をどう考えてこうなったのかとかは全然想像つかないんですけど、関夫妻の発展なく終わってしまう感じ、問題を乗り越えていこう!みたいな前向きさのかけらもなく、ただわかり合えないまま、全然目的の違う別の力によって強制終了させられちゃうのが、たまらなくぞわぞわしますね。こわいこわい。

  • 成志さんが言ってるからといって誤魔化されないんだけど、成志さんが言ってるから余計にメンタル削られる部分はあるかもしれない。また言い方が絶妙なんですよね。気楽に無責任に特に悪気もなく放たれる言葉。もちろん「お母さん」自体は悪い言葉じゃないし、ポジティブに場をおさめたようにも感じられるんですけど、かなえ(関)自身は「母」や「主婦」以外の役割を持っていたくて、でもそれが何かわからずに行き詰まっている人だと思うので、残酷な評価だなと思うし、「世間の評価」から逃れられないのがしんどいなと思います。

  • ほんとになんで2人結婚したんだろうな……。出会ったときの関さんはプロとしてプロ(の卵)に話しかけていたから、なんだか余計に地獄みを感じてしまう。

  • これだけで今日を終わらせちゃうとなんだか気分が落ちるので、池手さんのかっこいいところをひとつ挙げてから寝ましょう。何がいいかな、けっこうしゃべっちゃってるしな……せっかくだから何かマニアックなことをと思ったけど、誰にでもわかるようなことしか思いつかないや。

  • 検事さんの役に入ると、背筋がすっと伸びるの、とてもかっこいいですよね。少し暗くなった中で段のところに座って足を組む仕草も、ひとつひとつの動きが美しくて素敵。あと、これは少し記憶が曖昧なのだけれど、たしか検事さんの衣装で池手さんのまま座るときもあって、その座り方が全然違うんですよね。記憶違いだったら明日しれっと消しますが、たぶんそうだったと思う。


10月15日 19時

 ※本日はいつもより数段テンション高めでお送りいたします。

 

  • 順を追って話しましょう。えっと、まず今日収録日だったようで、カメラがけっこうな台数ございまして。それでこっちはまずちょっとそわそわするわけですよ。で、いつもの客入れの曲が流れてて、次で始まるかなってくらいのときに、映像用なのか、いきなり万獣こわいのテーマ曲が流れ始めまして、そんなのテンション上がっちゃうじゃない?ていうかほんと歌声が良すぎる!って思いながら客電落ちて明転して始まって、こっちのテンションが高すぎるのか、向こうのテンションもいつもと違うのか、最初からもうわけわかんなくなっちゃって。

  • で、最初のシーンで、古新田さんが遅れてきたくせに遅い!って騒ぎ始めるじゃないですか、あそこでいつも池手さんはなんだこいつみたいなお顔してるなって思ってるんですけど、なんか今日は古新田さんが騒ぎだしてもほわっとしたお顔してて……え!?今日の池手さんかわいい!?って思っちゃったんですよね。そこからなんだかこっちの頭のスイッチが「かわいい」に切り替わってしまったのか、もうとにかくかわいくてかわいくてかわいくてかわいくてかわいかったんですよ。

  • ほんとずるいって思ったのは、望月さんパートの演技が一通り終わった後、拗ねた苗田さんの周りに集まるとき、ベッドヘッドに手をグーにして置いてたところ。ずっとやってて私が気づいてなかっただけかもしれないんですけど、あのグーあざとすぎません?絶対かわいいのわかっててやってるでしょ?狙い通りにクリーンヒットですよ!!!もう逆に悔しくない!!

  • なんかもう取り乱しすぎですね、すみません。でも今日初見の友人も私が言う前に「成志さんあざとい」って言ってたから、やっぱりあざとかったんだと思う。使える武器を出し惜しみしないその姿勢、大好きです。

  • 藪中さんパートの最初の投げキッスもなんだかいつもより癖強かったり、歌声もよく響いていてかっこよかったり(私の受け止め方の問題かもだけど)、あと今日は角度的にラストシーンのキレてるお顔がよく見えて最高でした。いつも素敵だけど今日は特にきらきらして見えて、ほんと人生が楽しいです。去年けむりの軍団に通ってるときも本当に幸せだったんですけど、今もとっても幸せ。ありがとうございます。

  • これ収録日ですからね!映像も楽しみですね!!!マチネも録ってたようだしどのくらいこっちが使われるかはわかりませんが。

  • 古新田さんの「べきべきだ」ってやつが好きなんですけど、今日「べきべきdie」って聞こえて笑ったら、斜め後ろのお兄さんも笑っててちょっとうれしかったです。あそこ勢い良すぎるのかあんまり笑ってる人いないので、周りに笑ってる人いるとうれしい。

  • なんか生汗さんがかなえさん(関)にもっとおっきい声出ますよってやるときの声がほんとにおっきくて今までで一番面白かった。生瀬さん、パンフで収録のときに面白くできないっておっしゃってたけど、私は今日全体的にとっても面白かったです。

  • 今日は友人もいたので、終演後に「成志さんかわいい」と「成志さんかっこいい」を受け止めてもらえてありがたかったです。でもちゃんと真面目な話もしたよ!!

  • 何回観るのって聞かれて答えたらウケたので良かったです。宝塚からの返金を注ぎ込んでるのバレてた。全通はしてないからえらい。理性がある。

  • あ、あと今日の血糊はMP関節あたりまでと、なんだろう、親指の跡かな?少し外れたところにも付いてました。そろそろいいかなと思ったけど後で気になっちゃうと嫌だからメモ。

 ※お酒は一滴も入ってません。なんなら10か月くらい飲んでないです。


10月16日
  • 昨日のテンションほんとに世の中に晒してだいじょぶでしたかね……?まあでも初日の最初からわりとおかしいし平気かな……?たぶん今日も大概だと思う。日記なのでゆるされたい。

  • 今日は、昼間までは元気にいろいろ書こうとしてたんですけど、昨日はしゃぎすぎたせいかねむいです。録画してあったドラマとか見ながら家事は片づけました。平日2回しか観劇してないので、実は普段より生活に余裕があるなと気づいたりしました。推しの現場だと公演期間だいたい1週間、長くて2週間だから予定詰め込まなきゃいけないし、宝塚は観る頻度低くても毎日入り出あるから(今はできないけど)……。今回お財布は痛いけど生活はゆったりできている……もしかしてもう少し増やしてもいいのでは……?馬鹿なこと言ってないで昼間の続き書きましょうね。

  • 「ほんとに騙されたくはなぁい!」の言い方、最高すぎませんか?あの一言で暴力性が剥き出しになる感じ。歌に入る前、関さんに食ってかかるところの良さについては13日に語っておりまして、そこからカテコまでの流れ全部最高すぎるんですけど、今日は特にあの一言の話をします。

  • 演劇の好きなところ、たくさんありますけど、普段触れられないような感情の発露に触れられるというのもその一つだと思っていて。特に殺意を露わにするっていうのは普通に生きてたら見られない、まあ胸の内に抱えていることはあるでしょうけど、人前で晒すようなものではないわけで、そういう感情が表に現れてくる様を見ていられるのってほんとたまんないよね!って思う。で、あの3人が「売れない役者」の下に隠されていた狂気をすっと出してきた瞬間、劇場の空気が変わるじゃないですか。これだから俳優ってやつはさぁ~~~!!!ってなりますよね。最高。

  • 特に池手さんは、一緒に作品を作っていた人が自分たちを見下していたことに本気でキレてるように感じるので、「証拠隠滅」というアイデアを投げられてニヤっと笑った瞬間もう「松戸かなえを庇う」ことよりも「裏切り者を始末する」ことが主目的になってる気がするんですよね。自分を馬鹿にしてきた者に対する怒りと、それを捻り潰す愉しみとが、あの一言で打ち放たれるように感じて、すごく暴力的な一言だと思いますし、その暴力性が官能的だなと思います。

  • ていうか昨日かわいいかわいい騒いでたんですけど、この一言の圧もすごくって、その後歌うところの声の伸びも良くて、ほんとにもうしぬほどかっこよかったんですよ!!!でも昨日そこまで書けなかったから今日書きました!

  • 最初ねむいって言ったのに結局3時間くらいかけてるな。だって片手間じゃ言葉にできませんもん。好きなものの魅力を言葉にするの、難しいし苦しいしうまく表現できてる気もしないけど、言葉を捻り出す間中ずっと好きって気持ちに浸っていられるのは幸せだなって思います。だいすき。たのしい。おやすみなさい。


10月17日 19時
  • なんだか今日は、下手側からよく見えただけかもしれないんだけど、表情のキレが良かった気がして好きでした。なんか細かくイラついてた気がする。なんとなく表情や声や態度がいつもより少し硬質に感じて、それがちょっとかっこいいなって思ってました。池手さんって相手からのボールをやわらかく受け止めつつも譲らない、みたいな印象があるんだけど、今日はわりと跳ね返してるイメージだった。私の感覚の話なので、ほんとかどうかは知らないです。

  • 今日はフォロワーさんとお話させていただいて、ちゃんと言語化しておこうと思ったことがいくつかあったのですが、明日は観劇前に用事があるのでそろそろ寝なきゃってことで見出しだけ置いときます。明日か明後日くらいに書きたいけど、書けるかはわかんないです。
    ・「かわいい」も「ブス」も同じ
    ・笑うことの罪、客席という社会
    ・恋は倫理の外にある


10月18日 14時
  • なんか今日初っ端で池手さん可憐!!!って思ってしまいました。可憐ってなんだよって感じですけど、なんだか前髪のかかり方と白目のきれいさと他の人の大声とかに驚いてるときのリアクションが可憐だったので……。私が可憐だと思ったので私には可憐だったんです!

  • あと藪中さんやってるときの池手さんが熱演されてて、ひろくん!!!!!って思いながら見てました。ラブホでお母さんと通話して晩飯いらないをかっこつけて伝えるとこには引くけど、お母さんを大事にしてるひろくんは好きです。最後燃えちゃうとこでちょっと泣きそうになった。成志さんが演じてる池手さんが演じてる藪中さんに泣かされる、もう何が何やら。

  • なんだか最近観るたびに生瀬さんが面白くなっててほんと楽しいです。もう今日冒頭のオーディション始まるときの「よろしくお願いします!!!!!」から笑ってしまいました。

  • 他にもいろいろ初日から徐々に変化が付いてて楽しいですね。どつぼちゃん大好きすぎます、義賀さんがんばってほしい(笑)

  • 昨日の続きでいろいろ真面目なこと考えながら帰ってきたんですけど、諸々の用事を済ませて、22時からWOWOWの新ドラマ『セイレーンの懺悔』を見たらちょっとそっちが最高すぎたのでその話してもいいですか!?するね!!!

  • 内容については公式サイトのイントロダクションとプロモーション映像(消えてたのでミニガイドの方に貼りかえました:10/19)を見てほしいんですけど(雑)、ほんとに成志さんがかっこよすぎて……かっこよくなかったですか!?え、ほんとかっこいいんですけど!?「かっこいい」という言葉の意味がわからなくなってくるくらいかっこよかった……めちゃくちゃ嫌な人なんですけど……全く自分とは相容れない倫理観の人なんですけど……半沢の諸田さんとか目じゃないくらい嫌な人っぽいんですけど……。えーそのかっこよさ一体何なんですか……?

  • 真面目に内容の話をすると、第1話は「報道」というものの嫌な面を、更に倫理的に一歩踏み越えちゃってる集団にいる人の視点から描いている話なので、正直見てるのがきついくらいのお話だったけど、主人公の未熟な正義感がどんなふうに打ちのめされて、どう自分の道を見つけていくのかが楽しみだなと思いました。
    第1話はまだ19日22:00~、30日14:15~、11月8日19:00~に無料放送がありますし、WOWOWメンバーズオンデマンドでも見られますから、見てない方はぜひ! 

    連続ドラマW セイレーンの懺悔 | オリジナルドラマ | ドラマ | WOWOW

    youtu.be 

  • 全然観劇日記じゃない!!!失礼しました!


10月19日
  • 休演日!2週目もお疲れさまでございました。東京公演は昨日で折り返しということで……あと2週間で2日に1回成志さんを生で観られる期間が終わってしまうと思うとさみしいです……。さみしい、さみしいけどけむりの軍団のときよりは切迫してないかな……輝親さまにはリアコだったので。役に恋しちゃうと、千秋楽が今生の別れですからね。本当に大好きだったから、思い出すと今でもさみしいしちょっと泣きそう。重いよ。池手さんにはリアコではないのでその辺は大丈夫。少なくとも今のところは。

  • 今日は「かわいい」についてお話したいと思ってたんですけど、どうにもまとまりきらず……。最初の関夫妻のZOOMでの通話のシーンの、関さんがかなえさんに言う「かわいい」って言葉に、なんだか嫌な気分になってしまう、という話をしたくていろいろ書いてたんですけど、まだ自分の中で整理がついていなさすぎて、表に出せる形にできませんでした。おいおい形にしていきたいと思います。「かわいい」って言葉で表現されるものの範囲、広すぎるんだよね。難しい言葉だ。

 

3週目

10月20日 19時
  • 今日はちょっと忙しいので手短に。

  • 今日も池手さん熱演でした。ひろくん……。私とにかく好きな男性の涙に弱すぎるので、あの泣き声みたいな声と興奮のせいか潤む瞳、だめです……やりすぎて笑かしにきてるなと思いつつもひろくん!!!!!ってなってしまうので……えーん好き。好きな女性だと涙には特に動揺しないんだけどな、なんでだろ。感情が乱されるよりも美しい景色のように眺めているときが多い。

  • もしかしたら池手さんの表情で一番好きなの、最後のお蔵入りですってなった後の、インタビュー部分がダイジェストみたいに投影されているときの表情かもしれないです。わかりやすくイラついているところからすーっと表情が消えていって、静かに怒りが高まっていっているように感じられるのが、うつくしくてきれいだなと思っています。

  • 最近かなえさん(関)の切れ味が鋭くなってる気がして好き。

  • 今日はなんだか特に池谷さんの安定感が素敵だなぁと思いました。いろんな声を使い分けていらっしゃるのにどの声も素敵で、訛っている台詞でも聞き取りやすくて、耳がうっとりしちゃう。

  • 今日の客席、なんだか笑いの起こり方が素直な感じがしてほっこりした。ほっこりとは?

  • ねぇ!カフェにコラボドリンクのメニューができてたよ!!魔王のお湯割りと、魔性のレモネードと、魔性のヴァイオレット・フィズ、だったかな?間違ってたらごめん!魔王のお湯割りには練り物三銃士付きだって……。めっちゃ頼みたいけど、アルコール入れると眠くなっちゃうんだよなぁ、どうしよ……。ノンアルのメニューがあったら迷わず頼むんだけど。


10月21日
  • 今日は何書こ?どうでも良すぎて言ってなかったことから言おう。

  • 藪中さんが夏子さんと約束して「はぁーい!」ってやるとこ、ケイジとケンジ3話の最後の起訴祝いのとこで、見城一課長が今田美桜さん演じる毛利さんに「はぁーい!」ってやるのをちょっと思い出すんですよね。見城一課長、かわいさと面白さとかっこよさのバランスが大好きでした。見城一課長はあのときお酒の席でご機嫌でふわふわしててすっごくかわいいんだけど、ひろくんはギラギラしてんなって思ってます(笑)その違いがまた好き。

  • あと、藪中さんが拳銃で野呂さんを撃とうとしてたところに野呂さんが来ちゃって、野呂さんの賢者タイムのお話聞いてるとこでは、けむりの軍団の輝親さまが、赤池屋で逃げようとしたけど僧兵たちに薙刀突きつけられて、十兵衛たちの話を聞きながら必死で逃げる算段考えてるところをちょっと思い出してます。どっちのときも目の動きがすっごく好きでね、輝親さまはすごい勢いで頭の中でいろいろ考えてるんだろうなって感じだし、ひろくんはどうにかしないといけない状況なのに野呂さんの話をちゃんと聞いちゃってる感じなのがかわいいんですよね。輝親さまはずる賢いけど、ひろくんはそういうのできないんだなぁって愛しくなります。そろそろひろくん呼びやめた方がいいかな?きもちわるい?

  • 初日から感想パブサしまくってるんですけど、賛否あって楽しいなぁと思います。賛だけだときもちわるいもんね。この作品、わりとギリギリのラインにいるなぁと思ってて……まあ私はギリギリアウトの方にいるなと思ってますね。関武行、本当にドがつくほど失礼で、ここまであからさまな奴いる?って思うし、入れ替わりの仕掛けにも引くし。あえてやりすぎにして、関かなえという存在に反論させることでギリギリのラインに乗っているのかなとは思うんですけど。でも関武行を抹殺して終わりにしちゃうし、関かなえは松戸かなえに巻き込まれていくしで、結局何の解決にもならず、目新しさや鋭さはない。この何の解決にもなってないってところが今回の「嫌な感じ」なのかなと思ってます。結局現実ってこの程度じゃん、みたいな辛辣さがあるというか。でも同時に、「松戸かなえ」は魅力的に描かれていて、それは池谷さんの圧倒的な魅力による部分が大きいと思うんですけど、そこには愛情もあるのかなという気もして。愛情と辛辣さ、どっちなの?どっちもなの?どっちでもないの?と思いながら観ています。諸手を挙げて賞賛できる内容でもないし、でも、いろいろ考えるには楽しくて、キレるべきだと思ったところには丁寧にキレていこうと思ってこの日記を書いているところがあります。

  • とりあえず今日はここまで。まだ書きたいことあるんだけど、観ない日は観ない日で残業デーなのでなかなか時間が取れませんね。また続き書きます。


10月22日 19時
  • 今日はひろくんの目が途中潤んできらきらしてたので、ひろくん!!!!!って思っちゃいました。ひろくんほんとかわいいよ……。お母さんに対して素でイラついてるのに、夏子さんが来るとにこって笑顔作るのがほんとに好きなんだなぁと思えて大変愛しいです。ラブホのとこでお母さんから着信あってイラっとした後、電話取る前ににこっとしてたり、おはぎ置かれる前ににこっとしてたり。普通だったら、それでもあの姑きつすぎだしひろくんもっと本気でなんとかしなよって思うとこなんだけど、あの姑と嫁、ある意味パワーバランスが拮抗しているので、ひろくんがかわいいという気持ちだけに浸れて良いですね。良いのか?それに、あのお母さん発言酷いけど全然憎めないんですよね、はぁーぁっ!が大好きすぎる。毎回笑っちゃう。とにかくひろくんはかわいいです。池手さんに戻るとひろくんのかわいさが消えるのも好きです。この二重構造最高すぎる。

  • 今日ひろくんのお歌の前の投げキッス、すっごいリップ音?もはやリップ音ではない?鳴らしててどうしようかと思いました。どうもしません。

  • どつぼちゃんの「メンゴ」で、すごいがんばってるけどちょっと笑顔になってしまう義賀さん、どつぼちゃんのこと大好きすぎでしょ?もうコンビ組んじゃえば?と思ってしまう。

  • 望月さんが藪中さん殺したシーンの後の、かなえさん(関)とZOOMで通話するとこ、生汗さんの後ろでぴょこぴょこアピールしてるのがかわいいなってずっと思ってたんですけど、2週目あたりからだんだん激しくなってきて、今日ピースしたりいろいろやっててほんとにかわいすぎました。池手さんもかわいいからかっこいいまでいろんな顔がある……ずるい。

  • ま、池手さんで一番好きなのは、演技について理屈っぽく語ってたり、こだわりあったりするとこですね。池手さんはちょっとポイントずれてるんでしょうけど、姿勢がかっこいいなぁと思っています。好きです。

  • 今日の血糊の付き方、私の大好きな指先だけのパターンで、やっぱり最高だなと思いました。うつくしい……。あんなにいろいろはちゃめちゃにやって最後「うつくしい」で終わるのなんなの?世界一かっこいいじゃないですか……。

  • カテコ2回目に出てくるときに、袖で何かあったのかしら、少し笑っていらして、ときめいてしまいました。

  • 今日ほんとに成志さんの話しかしなかったな。なんかいろいろ考えたりもするんだけど、結局とても楽しいです。

  • あ、そうだ、今日「魔性のレモネード」飲んできました!つめたいの苦手なので氷抜きにしていただいたんだけど、おいしかったです!(氷抜きだと色が分かれにくくなっちゃうそうです)一昨日ノンアルがあればって書いてたけどレモネードノンアルじゃんね。完全に魔王のインパクトにやられていたようです。魔王も飲みたいな……飲めるのかな……。


10月23日

  •  これかっこよすぎじゃないですか?舞台に乗せられたものに対してはどんな感情を抱こうがこちらの勝手だと思っているのですが、そうでないお姿にここまで心が乱されてしまうのはなんだか不誠実な気がして耐えがたいなと、気持ちの置きどころにこまっています。どうしたらいいんでしょうね。

  • 今日は、風刺というものに対して他と同じように真正面からいろいろ考えるのやめた方がいいんじゃないかなぁと思ったりしていたのですが、でもやっぱり私は私なので、考えちゃうものは考えちゃうんだよなぁと諦めたりしていました。

  • ここから自分語りなんですけど、私、劇場で笑うときには、この笑いで誰かを傷つけていないだろうか、ということは気にしたいなと思っていて。そういう風に思うようになったきっかけはいくつかあって、一番大きかったのが、On7の『ま○この話~あるいはヴァギナ・モノローグス~』を観たときの経験でした。人生で一番の作品を挙げるとしたらこれってくらい、私を変えてくれた作品で、観て初めて自分はこの体が嫌いだったんだって気づいて、その上で少し好きだと思えるようになったっていう作品でした。で、私がめっちゃ泣いてるところで、男性の笑い声がぱらぱら聞こえたんです。確かにちょっと笑えるようなこと言ってたんだと思う、もう細かくは覚えてないけど。でも、その笑いの裏にどれだけの悲しみや辛さがあってその上で笑い飛ばしてやってるんだって、絶対この笑ってる人たちわかってない!!!!と思ってめちゃくちゃ悔しかったんですよね。でも、別に私の感じ方が正しいというわけでもないし、笑ってる人が悪いことしてるわけじゃない。ただ劇場空間で「笑う」ってことは、その小さな社会の中での「分断を明らかにしてしまう」ってことで、しかもそこに分断があることに笑ってる側は気づかないんですよね、苦い思いを抱えている側だけが気づいている。すごく怖ろしくて面白いことだなと思って。演劇のそういうところめちゃくちゃ好きです。でも、自分が笑うときには、できる限り、その笑いの向こう側にいるかもしれない人を意識したいなと思ってるんです。

  • もう一つ、実在の災害とか事故とか事件とかをネタにするときって、私は基本的には誠実にやってほしいタイプなんです。実際にあったことを扱った演目を観てきた中で、いくつか、そういう扱い方は不誠実だという当事者の反応を見たことがあって、それから気にするようになりました。 だって私たち、虚構であるからこそ舞台上の存在に対して感情移入したり憐れんだり怒ったり、勝手な感情を暴れさせて消費することができる。そこに現実が混ざり込んでしまったら、同じように勝手に消費するわけにはいかなくなってしまわない?他人のことなんて理解できるわけないのに、理解したように思い込んでしたり顔で語ったりするの、すごく失礼じゃない?というところでいろいろ悩み、自分なりの線引きを一生懸命考えたんですよね。
    それで、①当事者が客席にいるかもしれないことが意識されているか、②感動させるための仕掛けとして、観客の頭の中にある記憶のドラマ性に頼っていないか、③ぶっちゃけその設定必要性あった?の3点を気にしながら観るようにしており……この人いきなり記号使い始めたよ……まあ③は論外として、②は最も嫌な消費の仕方だなぁと思っていて、①は作った人じゃないとわからないから何とも言えないけど、当事者が観ると思ってたらこんな描き方できないよなと思ったら、そこにはあんまり加担したくないなと思っています。逆に、広島公演をやった『その頬、熱線に焼かれ』とか、福島公演をやった『福島三部作』とかは、覚悟の質が違うなと思っている。確実に当事者に見せるつもりでやってるの、すごいなと思う。

  • 自分が今何に対して笑ったり感動したりしているのか、その対象は何かの属性ではないか、当事者がいるものではないのか、当事者を傷つけるものではないだろうかってことは、気にしていたい。気にする以上の何かはできないし、鈍感だから自力で気づけないことも多いけど、できるだけ気づける人でありたいと思うんですよね。
    観客は「騙される」装置かもしれないけど、私は「騙される振りはするけど騙されたくはない」タイプの人間だから、舞台の上に乗せられているものも、騙されていていいものなのかは気にする。騙されていていいと判断したら全力で騙されて笑ったり泣いたり愛したり恋したり失恋したりして、演劇は作られたものであってもここで動いた私の感情は本物ですって言い張るんだけど、でも本当にこれに騙されてていい?っていうことに関しては、劇場という空間を作る共犯者として、自覚的でありたいなと思っているんです。
    古新田さんの、万札降ってくるとクライマックス感が出る、でしたっけ。あれも結局は再現シーン、それもたぶん事実には基づかないものを、音楽とか照明とか演出で感動的に見せられるんだってことを、あけすけに言ってるんだと思ってるんですけど、気持ちって演出ですぐ騙されちゃうんだなと思っていて。特にめちゃくちゃ音楽が良いミュージカルとかだと、話に違和感あっても音楽で感動してなんかいい話だと思っちゃったりする。ほんとにそこで感動していいんだっけ?みたいな疑いは常に持っていたい。勢いだけの祝祭的な演目だってもちろん大好きなんですけど、その勢いに乗っちゃっていいのかはちゃんと自分で判断したい。

  • とまあ、そんなスタンスでいつも観劇しているわけなんですけど、私、とにかく風刺というものに慣れていない!どういうスタンスで客席にいたらいいか未だにわかんない!まず過去作を円盤で見た時点で、グロいとこは好きなんだけど相容れないかもしれないなぁと思い、今作のあらすじを読んでまた、私はこれを楽しんでいいのかなぁという葛藤を抱き……。観てみたら、別に無邪気に人を踏みにじってるわけじゃなくて、ある程度自覚的に悪意を軽やかに表現してるんだから良くない?私の原則に当てはめる方が無理だよ!って思ってるんですけど、結局落としどころがつかめないまま、成志さんに会いたい!!!って気持ちだけで通うことになっています。しょうがないじゃん!!!!好きなんだもん!!!!!

  • 結局ね、今まで身につけようとがんばっていろいろ考えて作り上げてきた倫理的態度なんて、恋の前には一瞬で吹き飛んでしまうものなわけですね。恋という感情のそういう暴力的なところも私は愛しているので、気持ちのまま(財布の許す限り)行動していきたいなと思います。熱く語ったわりに結論が乱暴ですみませんでした。


10月24日 19時
  • 配信回!!!ねえ今日ほんとやばかったんですけど!!!もちろん今までの1回1回も楽しかったけど、今日の熱の入りよう半端じゃなくなかったですか!?こないだの収録回と同様、いやそれよりももっと、生瀬さんの声の大きさとテンションがやばくて、一言一言全部面白かったです!!もうときどき声ひっくり返っちゃってましたよね!?ほんと面白かった!!!そして、冒頭のぱわ原さんの「何がソーシャルディスタンスだ!」の叫びが凄くてですね。もう心の底からの叫びに聞こえたな。この人についていきたい!!!!!って気持ちになりました。灰皿のとばし方もえぐかったし。あんなに跳ね返ったの見たことない、いやあんまり跳ねすぎると危ないかなとは思ったんですけど、なんかほんと凄かった。その後の動線の方まで跳ね返っちゃったから誰がどうするのかなと思って見てたら、生瀬さんがにじり寄りながら処理してらして、そのお姿と表情がまたちょっと面白くて素敵でした。オープニングで初めてこんなに成志さんから目を離しました(笑)

  • そんな感じでもうほんと冒頭からテンションがやばくてですね、いやまあテンションが高ければいいってもんでもないでしょうけど、本当に楽しかったです。この演目は特に配信より劇場で観た方が巻き込まれることができて良いんじゃないかとか言ってた私が浅はかでした。この熱にはきっと配信で観られた方々も巻き込まれたでしょう。客席もほんとに熱くて、というかもはや物理的に暑くて、いつも羽織ってるストール剥いじゃった。客席の熱も画面の向こうまで伝わってたらうれしいな。

  • 今日はそのテンションの高さのせいか、少しハプニング的なのもありましたけど、それも全部面白い方向に作用してて楽しかったな。あんまりハプニングは喜びたくないので普段は書き立てたりしないようにしてるんだけど、今日はポジティブな印象しか受けなかったので書くことにします。

  • サイゼのとこで鷹匠さんがさいごお盆ひっくり返しちゃうときに、お盆が縦に落ちてころころと転がっていっちゃって、落ちてしまったんですね。そこでパニックになってた望月さんがそのままのテンションで落ちていくお盆に向かって声あげてたのが面白かったです。お盆拾いに行った店員さんはとってもかっこよかった。昨日宮藤さんのラジオで段差の負担の話してらしたから、お気をつけくださいねって気持ちには少しなりましたけど、すっと降りてすっと戻られていて、さすが脚が長くていらっしゃるわと、ときめいてしまいました。あのシーンでどこにお盆が飛んでもスマートに拾ってらっしゃる店員さんのこと、いつも素敵だなって思ってたので、ここまで転がってしまってもスマートに対応されるんだなとさらに惚れ直しました。

  • あと、かなえさん(関)とZOOMでわいわいするとこ、配信のための台詞変更でタイミングずれたり、笑っちゃって詰まったりとかしてて、上手側に残った人たちだけでなんだか面白い空気になっちゃってて、それを池手さんがいつもより強い言葉でツッコミみたいに断ち切ってたのがまた面白くて素敵でした。この前もご自分の前の台詞がちょっと違ってしまったときにスマートにリカバーしてらしたな。たまに落ちている物を拾ったり除けたりしてるのも、流れるようにすっと動かれてるのが素敵だなと思ってます。……これ私がただ成志さんのかっこいい話をしたいだけでしたね。

  • ZOOMの後の、みんなで苗田さん囲むとこでは、最近いつもおててグーにして、にゃんにゃんだかわんわんだかやってるのがほんとかわいいんですけど、今日はさらになんかお歌うたってましたね?どうしたのかな?池手さんご機嫌だったんです?もーほんとかわいすぎて勘弁してほしい。

  • ひろくんは今日最初のお歌から目がきらきらしててやっぱり好きでした。今日もリップ音よく鳴っていました。あと、「行ったけん仮歯ったい!」の台詞めっちゃ好きなんですけど、今日はその台詞のとき2回ともなんかぴょんって跳んでて……なんなんですかほんとにもう!!!かわいい!!!!

  • 夏子さんが自己紹介した後、真似して自己紹介するのもすっごく好きなんですけど、ポットが邪魔です!!!!今日の山本さんのポーズ超かわいかったから、ポットなしで見たかったよ!!!

  • あと何かあったかな、今日特に思ったこと。ばってぇ~んのとことどつぼちゃんとの見つめ合いはわりとタイミングそのときによって変えてきてて、今日は特に引き延ばしにかかってて笑ったなってくらいかな。あとは、どことは言いませんが、たぶんいくつかハプニングで面白くなっちゃった後に、それを定番化したりしてますよね。けむりのときも思ったけど。けむりは大楽の数日前でもそういうアップデートしてらして、ほんとに貪欲でいらっしゃるんだなと、なんだか感動してしまいました。

  • それから、野呂さんとかなえさん(松戸)のシーンが、おそらく再現シーンなんだよなと思いつつ、このお話の中で一番ときめくシーンだと思ってるんですけど、今日は特に胸がきゅっとなってしまいました。唯一「松戸かなえ」の恋が描かれているシーンなんですよね、きっと。まあ高度な焦らしプレイだなとも思うんですけど、純愛のようにも思える。今日は特にかなえさんが必死に恋をしているように感じられて、たまらなかったです。「自分を好きになる努力」が、台詞で語られている以上に見えてくるようだった。「かなえちゃん」もなんだかアバターのような無機質な人形に見えて、それがうつくしくて切なかったな。

  • ラストの、証拠隠滅の話が出て、にやぁって笑うとこ、今日最高のアングルで最高の距離感で見られたんですけど、生汗さんの方を向いてにやぁってしてから、そのまま関さんの方に振り向くのが、めちゃくちゃ気色悪くていいですよね。あの歯を出す笑い方が最高に気色悪いなって思ってます。今までさんざんかっこいいかわいい言っておいて突然の気色悪い。でもあの、急に人間味が失せて、ちょっと化け物みたいに気色の悪い表情できるとこがめちゃくちゃかっこいいなって思ってるんです。わかります?きっと役者好きな人ならだいたいわかるよね?私もう、あの化け物になら食われてもいいと思ってしまう。関さんみたいにおいしくなれる自信はないけど。

  • 今日の血糊はまた、指先、PIP関節の少し下あたりまで付いているくらいで、やっぱりこれくらいが一番好き!!!って思いました。あと最後の表情がいつもより心なしかテンション高いように思えた。全然気のせいかもしれないくらいなんですけど、なんとなく。

  • 結局いつも通り成志さんの話ばっかりしちゃったんですけど、今日はいつもよりオペラ定点を控えめにして全体を楽しんでいました。ほーんと楽しかった!!!やっぱりこれだけ回数重ねると自分の反応がマンネリ化しちゃう部分ってどうしてもあるんですけど、今日はそういうのも吹き飛ばしてもらえて、完全にあの世界に巻き込まれたな~という気分にさせていただきました。やっぱ演劇って最高だな~~~。人生たのし~~~~~。

  • あと、これはもうほんと内容全然関係ない話なんですけど、帰りご一緒させてもらったフォロワーさんに、昨日の宣伝動画の成志さんかっこよすぎてこまるんですけど!?とか、これ宮藤さんが我々を殺しに来てますよね!?とかなんかもうどうしようもなく混乱している私を受け止めていただいて大変ありがたかったです。成志さんも宝塚の贔屓(娘役)も世界一かっこいいんだけど世界一かっこいい人が2人いてどうしよう!!!とかいう頭のわるい相談に、男女の部門別でどっちも世界一でいいんじゃないですかという優しい答えをいただいたので、私は今世界一かっこいい男と世界一かっこいい女に夢中です!!!世界一楽しい人生を送れて幸せ!!!


10月25日 14時
  • 今日なんか関さんめちゃくちゃ良くなかったですか?いや私の受け止め方の問題だったかもしれないんですけど、狂気が見えた気がして好きだったな。今までは狂気というより、混乱とか自棄とかそんな印象を受けていたので。

  • もともと拘置所のかなえさん(松戸)とのやり取りで、子どもが女の子って知られていて動揺しているところは基本的にオペラで抜くようにしてるんですけど、今日はそこからラストまでずっとちょいちょいオペラ泥棒されてました。オペラ泥棒ってヅカオタ用語?まあとにかく普段ならオペラグラスの視界が成志さんに張り付いてるはずのシーンでも宮藤さん見ちゃってたってことです。

  • なんだろう、なんか最近関さん徐々に強くなってきてるなとは思ってて。今日は、人の意見に対して表面的に反発するんじゃなくて、ぐっと沈み込むように受け止めはするんだけど、深いところは固くて、何も変わらない、みたいな感じがしたなと思いました。芯は変えられないのに表面には圧力かけられるから挟まれて潰れてしまったって印象。撮影に乗り気になるところとか、10万円振り込んじゃったとことか、自棄になって開き直っていて一見明るく見えるのに、とても良い悲鳴に聞こえて、興奮しちゃいました。

  • そんな風に狂気が見えたのに、最後常識人の顔に戻るのが、またちょっと空恐ろしいような感じがして好きでした。さっきまでの狂気どこに引っ込めたの?常識人の振りしてまた違う形の狂気に振れちゃったようにも思えるかなって。

  • 子どもが生まれる直前の関夫妻のやり取りもいつもよりばちばちしてた気がして、好きでした。あそこのかなえさん、にこにこしながらお話してるけど関さんのことこき下ろしてるもんね。あのシーンまでいくと関夫妻のどちらにも賛同できないので、やばい奴とやばい奴が自分の正しさを押し付け合おうとしてるみたいな感じがして、殺伐とすればするほどえぐみが増して楽しくなっちゃうのかも。なんとなく今後面白くなるとしたらこの2人の関係性かなーって思ってたので、ちょっとその片鱗が見えた気がして楽しかったです。これからも楽しみだな。

  • とか好き勝手書きましたけど、全部個人の感想なので!たまたま今日よく見たらそう感じられただけかもしれません!主観でしか生きてないので客観的な根拠は何もない!!

  • ということで、今日は個人的に宮藤さんデーだったんですけど、成志さんのことで忘れたくないことだけメモしとこ。

  • なんだか今日のひろくんは比較的大人っぽかったなと思いました。昨日書いたかわいいのはほとんどやってなくて、なんだかまた少し違う魅力がありましたね。でも泣き声は激しすぎて笑っちゃった。

  • 松田優作のモノマネのとこ、生瀬さんの返し(事実を述べた)にツボっちゃってしばらく大変でした。

  • 義賀さんは本当にどつぼちゃん好きですね。

  • 関さんに風教えるとこ、暗転してからも派手にやっててかわいかったな。

  • 冒頭出てきたとこから目がきらきらして見えたけど、光が入りやすい角度だったのかしら。成志さんの目がとても好きなので、きれいだなーと思って見てました。

  • 今日は開演前に魔王のお湯割り飲んで、ちょっとふわふわしながら観てたので、最初に書いた関さんのシーンまでは感想もふわふわしちゃいました。10か月ぶりの飲酒が魔王のお湯割り(コラボドリンク)ってどんな人生だよと思うんですけど、まあ楽しいですね。ねりもの三銃士とってもかわいかったです。

  • 先週も言ったけど、WOWOWのドラマ、セイレーンの懺悔で、成志さんがめちゃくちゃ下衆で視聴率のためなら手段を選ばない報道番組の編集長やってるので、皆さん見てください。ほんとに最悪すぎて最高なので……。https://www.wowow.co.jp/drama/original/sirens/


10月26日
  • 東京公演、3週目も無事終わって良かった……。世の中の様子を見てると奇跡のように思えてきてしまいますね。つらい。
    ところで今日、池谷さんと山本さんのツイッターがすごくかわいくてきゅんきゅんしちゃったんですけど、皆さん見ました?ああいうやりとりほんとかわいい……。

  • なぜ観るのか。
    皆さんまあお気づきかとは思うんですけど、ここまでの私のチケット代、既に関武行が松戸かなえに振り込んだ額を超えていまして。でもだからといって関武行と一緒にされたくはねえええええええええ!!!!!という気持ちがあり(※個人の感想です)(感情の9割は「あいつが気に食わない」だけなので一緒なのかもわからないけどさ!)。今日は今この演目をなぜこの回数観るのか、ということをまたふわふわと考えておりました。結果、ものすごい自分語りになってしまい、獣道の内容の話は一切しておりません。

  • ひとつは『けむりの軍団』のゲキシネがけっこう大きかったのかなぁ。昨年の『けむりの軍団』という演目で、成志さん演じる美山輝親にドはまりして私は今こうなっているわけなんですけど、そのゲキシネで、とても切ない気持ちになってしまったんです。
    映像として固まってしまったら、どうしてもそれはもう目の前では生きていなくて、私にとってはあの頃をなつかしむためのものになってしまう。もちろんそれでもあんな大画面で何回も観られた時間もとても幸せなものでした。一番好きな表情は映ってなかったけど(絶対映らないと思ったから必死で大阪に通った)、一番かっこいい表情は映ってたし。ドアップも多かったし!でもどうしても、もうあの人はどこにもいないってことを痛切に感じてしまった。
    生きているって、定まっていないってことなのかもしれません。1秒先に可能性が開かれている。同じシーンでも、どんなふうに息を吸って、どんな色が台詞に乗って、どんなふうに目に情が滲むのか、いつだって全く同じなんてことあり得ないから、それが生まれる瞬間を息をのんで見つめていたい。
    なんだかそんな感傷に胸を押しつぶされてしまって、どうしてもずっと観ていたいなと思ってしまった。池手さんは輝親さまではないんですけど。輝親さまはもうこの世のどこにもいない……。本当に大好きだった。何がどう好きだったのかはここに少し書いたので、もしご興味を持っていただけるようでしたらどうぞ。

      けむりの軍団 感想 - 初景色

    私の人生の中でもずっと大切にしていきたい感情なので、もう少しちゃんと書きたいとも思っているのだけれど、お手紙に切々と綴ってしまったので、なかなかあれ以上にうまく表現できない気がして、下書きのまま眠らせてしまっている。

  • もうひとつは、後悔したくないということ。
    中学から高校のとき、私、1つ上の先輩のファンやってたんです。私がファンになった少し後に、彼女と彼女の同学年の先輩たちが学内で劇団立ち上げてお芝居始めて、私も自動的にお芝居する人のファンになりました。だからたぶん彼女が初めて私がファンになった役者だった。卒業でいったん休止したけど、しばらくして再開して、でもなんか、私は成長してない自分のまま会いに行くのが恥ずかしくて行けてなかったんですよね。そんな頃に先輩が亡くなって、会いに行かなかったことをすごく後悔した。今でも後悔してる。
    だからね、明日自分が死んでも後悔ができるだけ少ないように生きていたいんです。あと50年は元気に劇場に通いたいから後悔しないなんてことはあり得ないんだけど、少なくとも「今」を後悔したくない。他にも観ていたい人いっぱいいるから、いろんな要素で優先順位を考えて自分の行く場所を決めているんですけど……考えた結果こうなりました。

  • 「後悔」の話ついでに少し脱線して、「後悔」の中身の話をさせてください。先輩が亡くなったのはもう10年くらい前のことなんですけど、今年になってやっと、自分が何を後悔しているのかということに向き合いました。
    一番最初にファンになった相手が、すごく近い存在だったから、ファンって何なのかなってことは若いなりに一生懸命考えてて、たぶん、相手に立ち入りすぎたらもうファンではいられなくなると思ったんですよね。立ち入りすぎないことは今でも大事にしてて、自分は自分、相手は相手で違う人間だってことは意識している。ただ、あの頃は今よりもっと気持ちを言葉にするのが下手だったし、伝えていいこととそうでないことの線引きもうまくできていなかったから、伝えるべきところまで言葉にできないまま、プレゼントに気持ちを託してしまった。あなたが何を考えてどう生きていようとも、私にとってはうつくしい人だったってことを、言葉で伝えられていなかった。それが一番心残り。
    もちろん何もかも100%好きとはいかないことだってある。違う人間なんだから考え方だって、行動指針だって違う。全部を好きでいる必要もないし、自分の好きなようにいてほしいなんて押し付ける権利もない。でも、特別に惹かれる部分があるから好きになったわけで、それはもしかしたら色褪せることもあるのかもしれないけれど、そのときに惹かれたという事実は変わらない。
    あなたがこの世界にいることで生まれる輝きがある。そこは別に舞台上でなくても良かったんだ。私から見えない場所に行ったっていい。ただ、私が目にした輝きを、あなたに伝えておきたかった。言葉にしたからってそれがあなたに受け入れられるものになるかはわからない、それでも、私は私の言葉であなたを肯定したかった。それを伝えるにはあの頃私は未熟すぎた。たぶんこの伝えたかった気持ちは一生抱えて生きていくんだと思う。でも、だからこそ、今好きな人たちにはちゃんと伝えられたらいいなと思います。

  • 閑話休題、この公演をこの回数観る理由、一番大きいのは、とあるディナーショーが無観客ライブ配信になってかなり返金がきた、ということですね。重めな話の直後に身も蓋もない話してすみません。でも、結局世の中先立つものがないとどうしようもないので……。いや退団公演に取っておけよって話なんですけど、ボーナス1回挟むしいいかなって……。娘役が宝塚で本当の真ん中に立てる唯一の機会を現地で観られなくなったのが本当にショックすぎて埋めてくれるものが欲しかったんです……。退団公演の千秋楽より現地で観たかったんだよ……。ライブ配信でも号泣したので家で良かったのかもしれないけど……。
    ちなみにその公演が今日から音楽配信されているので、もし良かったら試聴していってください。一昨日書いた私にとっての「世界一かっこいい女」が歌ってます。

     iTunes  mora  music.jp

    あっそうだ!『モーツァルト!』より『愛していれば分かり合える』、『ダンスはやめられない』の2曲も配信されております!共通点!!!
    あっあとDiamonds Are a Girl's Best Friendの途中(のMaterial Girlの一節)でリップ音も鳴らしてくれるからそれも池手さんとの共通点だね!!いやさすがに無理矢理すぎるわ。

  • まあそんな感じで通っています。全通はしてないから理性はある。地方も行かないとこあるし。理性はある。そういうことにしておいてください。

  • 今日語ったのは今回の公演に通う理由だけなので、7月あたりにちょいちょい考えてた、もう少し全体的な観る理由も雑に置いときます。ツイート貼り付けると重くなるから後で整理するかもだけど。なお、アンチフィクションというのはこれ。

    第22回本公演『アンチフィクション』 | DULL-COLORED POP

     

 

 

 

 

 

 

4週目

10月27日 19時
  • 今日も成志さん世界一かっこよかった~!!なんだか1日空いたらまた新鮮にかっこいいと思っちゃった。あと、今日は下手側だったので、下手側にお顔向けてていつも表情が半分見えるところで、両目とも見えたので、すごくうれしかったな。なんかもう単純に目がとても好きなので、1つよりも2つ見える方がうれしいんだということがわかりました。

  • 冒頭のシーンで「いやだー!」って言ってるときも両目見えてうれしかったんですけど、><ってなっててかわいすぎました。

  • なんだか今日望月さんがちょっと若い印象でした。声が少し高めでかわいかった。ときどき声が裏返ってて、生汗さんの声裏返ると絶対笑っちゃうんだよな、どうにも好きですね。

  • 最初の風のとこ、最初の頃よりわりと派手に動いてるのが楽しくて、ターンとかしてると、あ、好き!ってなります。

  • 配信用に台詞変えてきてたとこが1つ残りましたね。4人とも普通に楽しそうでかわいいんだよな。

  • 苗田さんの一番かわいいところ、生汗さんにマッサージするって言われてベッドの上でころんてなるときに、にこってするとこだと思ってるんですけど、日曜に池手さんのわんわんだかにゃんにゃんだかを一緒にやっててめちゃくちゃかわいくてどうしようかと思った。今日は一緒にはやってなかったけど、目を合わせてて、その瞬間かわいいの2乗で大変でした。

  • どつぼちゃん、つよい。負けてる義賀さんはかわいいのでそのままでいてほしい。

  • 藪中さんと夏子さんの気をつけのとこ、遊び方が初々しくて、なんとも言えない良さがありますね……。

  • ひろくん、あまりにも素直に母親の支配下から抜けてないことを開示してしまっているので、本当に良いカモだったんだろうなと思うんですけど、そこがかわいいですよね。会う前のやりとりで母親出してくるのほんと……ほんと……ねぇ。でもそんなひろくんが野呂さん相手に夏子さんへの独占欲剥き出しにしてるのめちゃくちゃ好きです。

  • ラストシーンの池手さんはほんとかっこいいな。下手からのアングル、苗田さんのインタビュー動画が投影されてる間の怒りの高まり方がよく見えて、良かったです。池手さん、かわいいところもいっぱいあってからのあのかっこよさでほんとなんなんだろって思うんだよな……。印象に幅がありすぎて自分の中で統合できない……。

  • すし密でビール飲んでるときの表情が好きです。


10月28日 14時
  • 今日は、唯一追加席で取った、とても良いお席でした。近すぎて、近い!という気持ちに若干支配され気味でした。でもあの距離感幸せだったな、普段は宝塚以外だとキャパ100前後の小劇場にいることが多いので、なんかちょっとそんな気分も味わえたり。まあ舞台も客席の空間も広いから全然違うんですけど、でもオペラグラスなしで表情はっきり見えるの幸せだな~。目尻の笑い皺まではっきり見えました。笑い皺って大好きなんですよ。誰のでも魅力的だなって思っちゃう。まあ成志さんの場合は眉間に刻むのもめちゃくちゃかっこいいなって思ってますけど。話逸れすぎました。

  • 近すぎてなんかもうあんまり記憶ないんですけど、最初の松方さんのアドリブのとこで声出して笑っちゃった。またやるかもしれないから何だったかはとりあえず言わないでおくね。

  • 今日なんか全体的に甘噛み多かったけど、1回古田さんが後ろで笑っちゃってたのが見えて、珍しいものが見られたなと思いました。

  • 義賀さんは今日はよく耐えてた。

  • ラストシーンの池手さんに思う感情って、やっぱり「頼もしい」なんだなと思いました。11日にラストシーンについてこんな風に書いてましたけど、この印象は変わらないな。
    「自虐したかに見せてそれ以上の、現実を食ってしまうような得体の知れない力強さがほんとかっこいい。歌声もかっこよくて、頼もしくて、いつまでもついていきたくなっちゃうな。いつまでも違う世界に連れて行ってほしいって思う。(中略)やっぱりこんなに観劇してて叩かれないかなって不安はあるので、よけいにあの力強さに惹かれてしまうのかも。」
    一昨日、7月ごろのツイート引用してて思い出したんだけど、やっぱり私、劇場に行けるようになった7月中旬ごろは叩かれないかが一番怖かった。最初の2週間は『殺意 ストリップショウ』『アンチフィクション』を交互に観てた感じで、あのときはほんとに客席にいるの観劇バカの精鋭たちなんだろうなって思えて客席見まわして興奮してたけど、もしここで自分が感染したら、もしかしたらこの人たちまで敵に回してしまうのではないかってことがすごく怖かった。もし無症状で感染してたことがわかったら行った場所全部報道されちゃったりするのかな、あることないこと言われて、二度と観劇するなとか言われちゃったらどうしようって思ってた。感想をツイートするのも、行ったことを世間に晒して大丈夫なのかなと怖くて、もし何かあったら特定されて晒し上げられたりするのかもと思って、それでもやっぱり口コミって大事だし、黙っているのも裏切るみたいに思えて嫌で、ツイートはした。
    今はそこまでピリピリした雰囲気じゃなくなってきたし、あの頃よりは感染のしかたもだいぶわかってきたから、ちゃんと感染予防行動してれば大丈夫かなと思って日々過ごしているのですが、最初の頃はほんとに、感染よりもそういう恐怖に怯えながら客席にいた。別に怖かったら家で大人しくしてればいいんだけどさ、たぶん世間でも相当リスクの低い方である私が席埋めなかったら誰が埋めるのさ!と思ったし、好きな作り手たちが必死の思いでやってるんだろうから、それを目撃していたかった。まあ単純に観劇に関して我慢がきかない人間だからっていうのが一番ではあるんですけど。谷さんも三好十郎も好きなんだもんよ、行かないわけにいくかよ。
    そんな感じで恐れていたことを、暴力で制してくれたから、どうしても心奪われるんだと思う。でも、彼らは決して味方なんかじゃないとも思ってる。池手さんの最後の表情、こちらに迎合する気なんか1ミリだってないと思える。頼もしい、と思ったからって、守ってもらえるわけじゃない。彼らはきっと彼らの仲間しか守らないし、裏切り者だと思ったら排除する。彼らは彼らが演じたいから演じているだけで、それに私は心奪われるけど、それは私のための行動ではもちろんない。「かっこいい」、「頼もしい」とも思ってるけど、「こわい」とも思っているんですよね、私は。
    「頼もしい」と思うのは、人間としての強度が高いと感じるから。なんかもう、ずっと舞台のあちら側の人たちを心配することしかできなかったじゃないですか、私たちは。多少の寄附はしたけどさ、雀の涙だろうし。ああでもこの人たち、きっと私よりもずっと強いって思えて。もちろんそれは舞台上の虚構でしかないものだし、実際のところなんてわからないし、人間には強さも弱さもあるものだし、実際いろんなしんどさはあると思うんですけど。でも、なんか心配ばっかしてても失礼だなって思えて。世の中がどう言おうと、舞台上で自分が面白いと思うことを貫いてくれる。こんなにかっこいい人を好きになったんだから、もっと虚構の中でそのかっこよさに酔っていよう、その熱量に巻き込まれていよう、みたいな気持ちになった。
    「こわい」と思うのは、最後に客席に向ける目の厳しさ。かっこいいけどこわい、こわいからかっこいい、どっちもある。今まではふわっとこわいなって思ってたけど、今日ふと、私は彼がこちらに向ける目に耐えうる自分であるんだろうかと思った。別に何かを問われているわけではないんだろうし、彼がその目を向けているのは観客ではなく世間なのかもしれない。でもなんか、寄りかかってるだけではいられないんだなって思って。彼らが彼らの論理を貫くように、私はどう私であれば良いんだろう。かっこよさに酔って、熱量に巻き込まれて、でもそれだけじゃない何か。別に求められてはいないんだろうし、答えは何を読んだって書いてないけど、探したいと思った。あの目をこわいと思わなくなりたいから。


10月29日 19時
  • なんか今日、生瀬さんの台詞の音程が全体的にいつもと違ったので、それだけで楽しくなっちゃいました。面白いなぁ。

  • 成志さんもなんかちょっといつもより数センチくらいテンションが高い雰囲気だった。特に冒頭。何が違うのか明確にはわからないけど、楽しそうに見えてうれしくなっちゃった。なんだか全体的に目がきらきらして見えました。

  • 今日の松方さんアドリブは鳴き声つきでかわいかったですね。

  • なんか今日、客席の空気含めてすごく楽しかったなぁ。

  • 今日の関さん、好きな関さんでした。やっぱり関さんが追い詰められていればいるほど楽しくなっちゃう。テンション上がる。かなえさん(関)のキレも最初に比べて増してるので、ほんと好きですね。かなえさん、やりすぎないギリギリの露悪って感じが良い。たぶんやりすぎるとまた文脈が変わってきてしまうので。

  • 今日、ラストシーンの池谷さん0ズレだったので正面見てたんですけど、最後、上に向かって指差していくところで、ぞぞぞって鳥肌立っちゃった。かっこよかったぁ……。

  • あと、何度でも言っちゃうけど、苗田さんのインタビュー投影されてるときの池手さんの表情の変化が本当に好き。

  • ところで、ここには書いたり書かなかったり、最近は特に断片的なメモが溜まるばっかりでまとめて書けていないんだけど、相変わらず細かくキレながら観ています。いや風刺なんだからね、単純に笑えばいいのかもしれないけどさ……と思いつつ、私はいったいなんでキレてるのかってことを考えたので書いておきます。
    私自身は今めちゃくちゃ自由に生きてて、まあある程度自己主張した結果ではあるけど、親とか親戚とかに結婚しろと言われることもなく、好きな仕事をしてお給料もらって好きなことして生きてるんですけど、そうじゃない人がたくさんいることも知っていて。なんかもともと世の中の理不尽が嫌いなんですよね。特に、今は臨床が向かなすぎて転職しちゃったけど、前職では母子保健に携わっていたので、なんかいろいろ妊娠出産育児にまつわる理不尽なことは見聞きしたし、今は今でTLの私の大事な女たちが育児負担やら介護負担やらほぼ一人で担わされて疲弊している話が耳に入るし。生物学的に女であるということしか共通点ないんだけどめちゃくちゃ怒ってしまう。個別の事案について私に怒る権利はないんだけど、そういうことが当たり前に起こりうる社会に怒っている。
    だいたいさ、祖母が子どもの頃の社会だったら、私たち参政権ないんですよ?嘘でしょ!?何回理解しようとしても、嘘でしょ!?しか出てこないんだよな……今目の前で生きてる人たちが生まれた頃の社会で私ら人間の頭数に入れられてなかったってことじゃん……マジでドン引きする事実なんですけど……意味わからんわほんと。
    そんな意味わからんところからここまでで、私が自由に生きられるくらいにはなったと思うと、それはもう先人たちの努力あっての結果だと思うので、感謝してもしきれないぐらいではあるのですが、一方でやっぱり人間扱いされていないと感じる場面も多々あるわけで、それは今を生きている自分が主張していかなきゃいけないところなんだろうなと思うわけです。
    演劇であっても夫婦間のことに口出しするのって下世話でしかないなぁという気持ちもありつつ、それ以上に、こういう局面で実際しんどい思いしてる女性ってたくさんいるだろうな、とか、実際あのときこういう話聞いたよなぁとか思っちゃうと、何かひとこと言ってやらないと気が済まねぇ!!!!!!ってなるので、ちゃんと筋道立てて理不尽だと思うところには理不尽だって言いたいんですよね。まあ演劇なんで!虚構なんで!ケーススタディみたいなもんってことでいいんじゃないかな。いやそれにしては私に冷静さが足りないです。
    もうさぁ、そもそも今更男/女の二元論で話しないといけないのも嫌なんだけどさ、結局まだそこにある事実なんですよね。まだこんな話してなきゃいけないのほんと嫌になるけど、観てるとそうなんだよなぁ……って思う。でも当たり前に「人間扱いしろ」という主張ができる雰囲気にはなってきたから、きっと進んではいるんだろうな。獣じゃねぇんだよ!!!人間扱いしろや!!!!!
    そんな感じで、いずれちゃんとまとめて筋道立てて話したいです。たぶん東京終わってからになるかな。全ての育児の担い手と介護の担い手が、自分の好きなときに髪を切りに行けて、自分のケアをする時間を持てる社会にしたいですね……。


10月30日 19時
  • 関かなえ~~~~~~!!!!!!!!!!
    いやもう私的には今日は完全に山本さん回でした!キレッキレでしたね!!!

  • 最初から最後までいつもよりキレ味鋭い感じでしたが、特に骨董通りのとこがめっちゃ好きだったな。今までかなえってほんとに「言うこと聞いてる」だけしかできない、自分の欲望に対する解像度が低い人だなって印象だったんです。アイドルやるのってめちゃくちゃ大変なことで、自分の理想像と、得手不得手から取りうるポジションとをすり合わせてやっていかなきゃいけないだろうし、ファン投票1位ってことはその分絶対聞くに堪えない悪口もたくさん浴びてると思うんですよね、それでもなおデビューを目指すって絶対大変なはずだと思うんですけど、かなえからはそれに対する気概も情熱も感じなくて、ただ流されてるだけって印象。友だちから「かなえちゃんかわいいからアイドルになれるよ!このオーディション応募しなよ!」とか言われて始めたんじゃないかと思っちゃうくらい。だからああいう結婚したんだろうなって思ってたし、「松戸かなえ」と出会って初めて「自分の欲望を持つ」ことを知って、「松戸かなえ」のフォロワーとしてではあるけれど、自分の人生の主人公を指向し始めたのかなぁと思ってたんですけど。
    なんか今日のかなえ、意志の芽が見えたんですよね。もしかしたら自分がやりたくて始めたのかもって思った。まあついていく相手が悪かったから、叩き潰されてしまったわけではありますが。今までのかなえも面白いと思ってたけど、今日観て「関かなえ」という存在の可能性が私の中で広がったので、ほんとに楽しかったです。いや~通う醍醐味だわ。

  • 今日は関武行の方も昨日に引き続きキレッキレだったので、関夫妻2人そろってめちゃくちゃ好きでした!!!これよこれ!!私はこれが観たかったの!!!!って感じでほんとテンション上がっちゃった!

  • あと、山本さん、やりとりしてる相手が派手に言い間違えるところを今まで2回見たけど、全然動じないですね。処理は間違えたご本人にさせてるけど、あの動じなさ、かっこよくて惚れそう。

  • 関かなえ中心の感想になっちゃいましたけど、なんか今日皆さんいろいろ楽しかったです。藪中さんのお母さんのしゃべり方変えてたのが印象深かったり、どつぼちゃんいつも省エネなのに動き一番キレてるんだよなと思いながら見てたら今日省エネじゃなくてうっかり義賀さん登場シーン逃したり、かなえさん(松戸)もいつもと少し違って、特に野呂さんとのシーンめちゃくちゃ好きだったり、いろいろありました。

  • みんなどんどん目が離せなくなってくから、爆イケ検事さん見てられる時間減っちゃうんですけど!!!!!私あの人見るために毎回1万払ってんのに!!!!!!

  • でも今日も成志さんは世界一かっこよかったです!なんか今日、角度の問題なのか、伊東さんがかっこよく見えて、なんだったんだろあれ、いつもかわいいおじいちゃんなのに。あと地味に松方さんアドリブにツボってしまった。

  • ZOOMのとこで指ハートやってて致命傷を受けました。池手さんは全然輝親さまじゃないのに……。なんなら成志さんの指ハートだって輝親さまの指ハートとは別物なのに……。

  • ラストシーン、後方ド下手から見た照明の具合に血の赤さがすごく映えてて、ほんとにもうあまりにもかっこよかった……。

  • いや~もうほんと、お芝居って楽しいですねぇ。はぁ~~~人生たのし~~~。生きてる!!!!!


10月31日 14時
  • 今日は席めっちゃ後ろだから~と思ってバイオレットフィズ飲んでふわふわ観てたらあんまり記憶に残ってません(笑)後方席の端っこだからって気抜きすぎたわ。でも頭空っぽにして観てても楽しかった~。

  • 皆さんバイタリティーすごいな~と思いながら観てました。配信回テンション高いなと思ってたけど、もうあれくらいが通常になりつつありますね。なんか最近観てて、私も体鍛えよう!って気持ちになってる(笑)後ろのパネルの成志さんの筋肉にときめいております。オペラグラス持つ手が筋肉痛だと困るので、影響出ない範囲で鍛えたい……。毎日日記書けたんだから、もしかして筋トレも続けられるのでは?

  • ちょっと店員さん大変でしたね。お気をつけくださいね。

  • 関夫妻の最初のシーンで、なんだか初めて恋の気配を感じました。かなえさん、ちゃんと武行さんのこと好きなんだ!って思った。今まであの2人のことなんだと思ってたんだって話ですけど。今まで、「松戸かなえ」にのめり込むまでの関かなえを無機質なイメージで捉えていたので、またいろいろ考える余地ができたなぁと楽しく思っています。今日明日で自分の中で深めきれる気はしないので、東京楽後の宿題にしよーっと。

  • ZOOMのとこ、マチネはまた指ハート入れてきてて、どうしても致命傷を避けられません。その後のにゃんにゃんは最近ときどき一緒に苗田さんがやってくれるのですが、もうほんとにかわいい……かわいい……。


10月31日 19時
  • 東京前楽にして初めてのマチソワでした!ひさびさにマチソワしたら疲れた(笑)今回基本週4観劇マチソワなしにしてたら、めちゃくちゃ体が楽でしたね!でもやっぱマチソワ楽しいな!もうあっちの世界に住んでる感覚になってきちゃうくらい浸れるから。

  • 最初のお歌の「ねりものあみものかわきもの」のところの池手さんの表情がなんだかとっても好きでいつも見てるんですけど、今日はちょっと違ったお顔されてましたね。笑っちゃいそうだったのかな?いつも古新田さんを心配してるところから、踊る体勢になるまでのところの表情の変化がなんだかすごくツボで好きです。

  • ソワレの店員さんは、前の方に転がっていきそうだったグラスに反応して早めに動いてたのがかっこよかったです。止まったのでよかった。

  • やっぱりひろくんの嫉妬の表情好きだなぁ。車のシーンで刺した後に謝るのも、かわいいのにヤバくてめちゃくちゃ好き……。

  • 関さんの狂いっぷりが安定してきて(表現に矛盾を感じる)、最近毎回楽しいです。3人に監督もこっち側か?って言われてるとこめっちゃ好きだな。3人の興奮とこっちの興奮が同期してるような気がしてきていて、すごく楽しくなっちゃいます。

  • すし密のとことか、野呂さんの殺し方を3人で悩んでるとことか、なんだかだんだん尊いなって気分になってきちゃいました。

  • 松田優作のとこのアドリブ、なんか最近生瀬さんに適当にあしらわれてて、かわいいです。

  • メンゴの後のどつぼちゃんがずるすぎる。どつぼちゃん本当に強すぎ。

  • ラストシーンの空気の変わり方、ほんっとうに好きだなぁと改めて思いました。古新田さんの詰め方もめちゃくちゃヤバくて好きだし、池手さんはこれまで何度も語ってる通りですけど、奥で微笑みながら見ていて最後に決定的に事を起こす生汗さんが一番ヤバいんだろうなって思いますね。この人、どれだけ世間に対して鬱憤溜まってたんだろうなって思うと怖ろしい。ほんと楽しいな。あと、お三方のパネル、ずーっと見られてるみたいで不気味ですよね。お写真それ自体にはときめいてるんですけれども。終わっても残ってるのが、最後までじっとり背中を見られているようで、気味が悪くて楽しいです。

  • マチソワしたら眠すぎる……。明日で2日に1回以上成志さんに会える期間が終わってしまうと思うとさみしいですが、あんまり考えないようにして明日に備えます。


11月1日 14時
  • 東京公演千穐楽!!!!!!お疲れさまでした!!!!!!。

  • 今日は友人にお願いして来てもらったんですけど、とても楽しんでくれてよかったです。いつも成志さんの話いっぱい聞いてくれたり、DVD見てくれたり、けむりのゲキシネも見てくれたりしてたので、生で観てもらいたかったんだ。万人向けの作品ではないと思ってるので少し心配でしたが、面白く受け止めてもらえたようでよかったです。検事さんもかっこいいって言ってくれた♡

  • 今日、作品自体の感想はあんまり言語化できるとこないです。外したくない表情はオペラグラスで抜いたけど、それ以外は全体の空気を楽しんでました。楽しかったです。

  • 観劇後はフォロワーさんといろいろお話させてもらったんですけど、ほんとにいろいろお話できて楽しかったです。作品と関係ない話を除けば、宮藤さんのお話ばっかりしてました。成志さんのお話するチャンスだったのにな(笑)まあ成志さんのお話もしましたけど、私的には成志さんがかっこいいのは宇宙の真理なのでそれよりも謎の多い宮藤さんのお話を聞きたい気分だったのです。
    宮藤さんて、どこまで自覚的に書いてらっしゃるのかわからないんですけど、でもたぶんこの作品、100個ひっかかる台詞があったら90個は自覚的に仕掛けてるものなんだろうなと思えるので、信頼できる方だなと思う。あと10個はネタなのかなんなのかちょっとよくわかんないですけど。あ、個数は適当です。まあとにかく、引っかかる人には引っかかるように書かれてるなと思うから、安心して、ここ引っかかるよね!!って大声で言えるというか。それって無自覚なものを批判するよりも相当楽だから、甘えているといえば甘えているのですが、引っかかった部分を言語化することで、この社会のこういうところが嫌だって言わせてもらえるのはありがたいなと思います。
    そんなふうに私は思ってるんですけど、開演前のインタビューとかパンフレットとか読み返してると、演じている側はそんなに引っかかってないのかなと思ってしまう部分もあり。どこまで意識して演じていらっしゃろうと、私が受け取って解釈するものは舞台の上に乗ったものだけなので、何の関係もないんですけど、もし、宮藤さんが書いたものの批判的な意図を意識しないでやっている部分があるとしたら、宮藤さんはお三方をも批判していることになり、そうだったらめちゃくちゃ強かで面白いなと思ってしまいました。いや、わかんないですけどね。そうだったら面白いなってだけで。
    とにかく宮藤さんって面白い方だなと、いやもうこれを読んでくださってる皆さんそんなことは百も承知でいらっしゃるんだろうと思うんですけど私は宮藤さんの作品あんまり観たことなかったので、いろいろ観たいなって思いました。ウーマンリブの『もうがまんできない』は、録画して見たものの、あまりのしんどさに冒頭5分くらいで止めてしまったんですけど、もう一回がんばって見てみようと思います。
    この作品に関して私はまだまだ言い残してることもいっぱいあるので、それも徐々に言語化していけるといいな。引っかかるところ全部真正面から取っ組み合いたい。素直さと我の強さだけが取り柄なので。

  • いつかも言いましたけど、やっぱり私は池手さんの「お母さんになっちゃったんだねぇ」に毎回新鮮に傷ついてしまう。ご本人がどういう気持ちで言っていようと構わないし、それが私の抱く気持ちや考えと違っていても、好きじゃなくなることはないんですけど、でも、好きな人の口から傷つく台詞が出てきたときの、こちらの傷つき方って格別なものがあるなぁと思います。好きじゃなかったら、たぶん直に怒りになるんですよ。怒ってないわけじゃないけど、怒りよりも先に傷ついてしまうのは、好きだからなんだと思う。だから、ある意味好きなんだなって実感できるので、嫌じゃないんですけど……どうにも言葉にしようのないもどかしさがあって……宮藤さん……!!!って気持ちになります(笑)私なんで今この話したんだろ。なんかね、今日しみじみと好きなんだなーって思ったんです、たぶん。

  • カーテンコールの拍手の圧すごかったですね。一体感あってうれしかったな。
    今公演を打つのって、いろいろな対策をした上で、やれるかどうか、続けられるかどうかって、結局運でしかなくて、本当に残酷だなと思うし、そんな状況にある舞台の向こう側の気持ちは観客の身では本当にわかることはできなくて、こちらも体調を整えて観に行くことしかできないから、それが悔しいなって春先からずっと思ってるんですけど、ただこの拍手で愛していることが伝わってくれたら、うれしいな。

  • さて、こちらの記事ですが、いったんここで終わりにしようと思います。地方は全部は行かないし、行っても週末だけなので、書ければまた別記事で書こうと思います。そもそも遠征ひさびさすぎて、ちゃんと行って帰ってこれるか不安(笑)
    アクセス数見てると、継続的に見てくださってる方もいるのかなーという感じで、こんなに癖の強いものを読んでくださってありがとうございます。徹頭徹尾自分のためにしか書いてなかったですが、言語化するのに時間と気力は必要なので、アクセス数0だったらたぶん続けられてなかったと思います。人の目があるってありがたいな、ほんとありがとうございました。
    まだまだ書きたいこともまとめたいこともいっぱいあるんだけど、それは追々。また読んでくださったらうれしいな。あと、私すぐ人と会いたがるので、もし嫌じゃなかったらぜひお茶してください。成志さんがかっこいい話一緒にしてください!!!ではまた。

 

けむりの軍団 感想

今日けむり終わっちゃうとかさみしすぎて無理なんだけど……!!
ネタバレあり感想をあげられていないのが唯一の心残りなので、開演30分前だけど、とりあえず置いておきます。

このお話で一番好きなのは、最初自分の思惑しか考えていなかった人たちが、最後には自然にお互いを思いあっていて、家族みたいに見えるところでした。
自分が重い人間なので、努めてあのからっとした感じを大事にしたいと思いつつ、愛しく思わずにいられない、そんな4人だったなと思います。
最後の雉原城での彼らのことを考えてから、最初の木賃宿のシーンを思い返してみると、十兵衛に護衛を依頼するが十兵衛の望みがわからない紗々、素性の知れない輩には頼りたくない源七、自分に利がないことは引き受けない十兵衛、十兵衛の仕官の望みを紗々に示して活路を見出そうとする輝親、と、あんなにバラバラだったのになぁと感慨深くなります。
あれだけ何年も仕官にこだわっていた十兵衛が、紗々との関係を悪くしたくないから断るって……もちろん目良との戦いで働きができたことでひとつ満足はしたのだろうし、そもそも人に仕えるのが性格的に向いてなさそうだけど、それでもこの関係が大切になっちゃったんだなぁと、胸がいっぱいになってしまいます。
紗々の「好きにするが良い」も、冒頭の木賃宿では全く十兵衛のことを理解していないから出てきた言葉だったのが、十兵衛のことを理解して判断を受け入れたからこその言葉になっていて、ここの重ね方めちゃくちゃ好き……。
そして、最初は自分の活路のために「あなたも察しの悪いお人ですねぇ」ってけしかけるように笑っていた輝親が、紗々が十兵衛の仕官を認めたことを喜ぶだけの純粋な笑顔になるのがもうめちゃくちゃに好きで……。あの笑顔、下手からじゃないと見えないけど、見えた範囲では毎回違って、にこにこしたり、ニヤッてしたり、にこってしたり、にこにこしちゃうのを抑えようと少ししかめ面になってたり、いろいろしてて、でも全部うれしいんだなって感じがして愛しい。昨日はじわじわとにこってお顔になってました……。3回目で初めて見えたあのシーンの表情をきっかけにチケットがあと13枚増えることになったくらいに大好きでした……。
源七がて~る~ち~か~って圧をかけるのも好き。4人の中で一番まっすぐで、厚見のしきたりにも忠実であろうとしていた源七が、ああやって輝親に恩賞を受け入れさせようとしたり、十兵衛の仕官について心配したりするの、身内感がすごくて……。源七がいてくれることでなんとなくあの4人に安定感が出るなぁと思います。
合戦場から逃げていくときに十兵衛が紗々と源七の手を取るのも大好き。あれめちゃくちゃパパだなって思ってます。十兵衛パパ。そこからの4人で逃げていくところ、ほんとに家族みたいだなって、すっごく愛しい。この4人が大好きで幸せでした。

以下役別の感想。

十兵衛は口ではあんまり素直じゃないのに、情があるのはわかりやすくて、愛おしい人だなと思います。目的だったはずの輝親も逃がすし、ずっと願っていた仕官も断るし、どれだけ大事になってしまったのか、大事に思わせてしまったのか……。
噂に聞いていた通り、本当にかっこよかったな。立っているだけで空間を埋められるのがすごくかっこよかったし、戦うと強いし、すっごく素敵でした。特に書院のところで一対多で戦うときが、ほんと強くてめちゃくちゃかっこよくて大好きでした。

紗々と源七は、冒頭の、家臣に手を伸ばす紗々と一礼して紗々の手を引いていく源七が、観れば観るほど効いてきました。立場のために様々なものを犠牲にしてきただろう紗々が、自分を優先させて言うことが十兵衛に死んでほしくない、なのが、なんて人なんだろうと……。
紗々の芯の強さってほんとに好きなんですけど、彼女みたいな強さってわりと稀有なんじゃないかなぁという気がします。への字に結んだ口が本当に好きなんですよね。悲愴な顔はほとんどしない、冒頭の源七に引っ張っていかれるところにわずかに彼女自身の気持ちが見えるくらいで、後は常に上に立つ者としての意識で立っている。いつでも同情を引くような顔はせず、強気の姿勢を崩さない彼女の、「兄上のためぞ!」の一言の、一瞬だけ見せる悲痛な響きに、これまでどんなこわさやさみしさやつらさを呑み込んできたのだろうかと、彼女の背景が一気に押し寄せてくるのがたまらなかったです。3年間、眠るときも脇差を抱え、城を調べつくし、仲間の屍を踏み越えてきて、その上で、そなたに死んでほしくないと、すっきりとした顔で言うのが、とてもうつくしいと思っていました。

源七はひたすらなまっすぐさに説得力が生まれるのがすごいなと思っていました。あの4人の中の良心だなと思いますし、紅顔の美少年といった容貌とコミカルなかわいらしさもキャラクターと合っていてすごく良かったなぁ。あのまっすぐさで厚見家でも愛されていたのかなと思いますし、気持ちの強さがあるからこそ紗々姫を託されたのかなと思っています。冒頭で転けて他の家臣の人に助けられてるとこがすごく好きで、厚見家での彼について想像してしまう。姫には戦いでは助けられるし意見は却下されるしで、なかなかいいとこないけど、まっすぐに意見してくる相手がいるからこそ姫も強く立てていたんじゃないかという気がします。

輝親については、好きすぎるので最後に書きます。

目良家は、人間関係にここまで積み重なってきたものを感じてとても面白いです。特に女性陣がとても好きでした。
嵐蔵院は観ているうちに一番守りたくなる存在になりました。夭願寺で、千麻が開き直ると顔を背けちゃうところが切なくて。息子と嫁のそういうところを見たくないだけでなく、千麻に大殿の寵愛を受けた側室たちを見てしまうからこそ必要以上に辛く当たっているんじゃないかと思えて、切なくなってしまう。堂々としているようで、驚くところではリアクションが大きいのがかわいくて、こんなかわいい人に目良家の権勢を一人で守らせてしまった大殿が憎いです。嵐蔵院の子が則治一人というのがね、どういう経緯なのか、いろいろ考えてしまいますね。

千麻はすっごくかわいくて最初からずっと大好きでした。面白いキャラクターだけど、札のシーンで見せる素の表情と声が少女のようで、うつくしくて、心惹かれていました。殿への愛情と権力志向とが混ざりあっているような気がして、最後ああなってしまうけど、何が彼女にとって最善だったのかなと考えさせられます。殿の方に向き直るときに、眉根を寄せるときがあったのが、とても切なくて。千麻がどういう気持ちだったのか、理解しきれる気はしないけど、わかりたいという気持ちで見つめています。

則治は、最初から面白くて大好きでしたが、いつからだったかな、夭願寺に訪れるシーンでラストの片鱗を見せてて、わかりやすくなってた気がして、ちゃんと知ろうとしようとしているのに、かわいそうだなと思うようになりました。
紗々を悪く言われたらかばったり、嵐蔵院から千麻をかばうのは、夫としてはちゃんとしてる人だったなと思います。嵐蔵院と則治、ゾフィとフランツではなかったのがほんと救いだった……紗々脇差の件が嵐蔵院にはおそらく伝わっていないのがね、よかったですね……。あと後半なんだか千麻とのいちゃいちゃ増えてました?見えるときしか見られてないのでわからないけど、カップルとしてかわいくて大好きでした。

莉左衛門は、顔芸が好きすぎました!特に糸と格闘してるところがめちゃくちゃ好きで、面白いやらかわいいやら……。私は基本輝親定点だったのに、あそこだけは輝親から視線を外さざるを得なかった……視界には入れてたけど。莉左衛門の面白さが進化していったのを見ていられたのは本当に楽しかったです。福岡公演からかな?東京では決めてたセリフをどんどん崩していってたのがなんかすごいなって思いながら笑ってました。最近チキン宿って言ってるよね、あれさりげなくて好きすぎるんですけど笑
と、面白いって話は置いといて、莉左衛門を見ているといろいろ思うところ、というか、自分の職場での振る舞いも振り返ってしまうところがありました。いやぁ、報連相って大事ですね。誰か教えてあげて。ただ純粋に目良を守るためにどうすべきかの最短ルートを行った結果、ああなっちゃってるのがかわいそうすぎる……。武功とか名誉とかあんまり考えたことないから無邪気に一虎を傷つけちゃったり、目良にあって唯一裏表がないというか、まっすぐに目良を守ることしか考えていないから、嵐蔵院にも意見できてしまったりするのかなと思ってました。親も生国も知らない、欠けてしまっている己の土台を埋めようと一生懸命だったのかなぁ。
合戦の最後の気迫が本当にすごくて、青い炎が立ち上るようで、うつくしかったです。

長雨は、嵐蔵院に詰め寄られても白状しない強さが好きでした。クールビューティーで格好よくて、夭願寺で嵐蔵院に耳打ちするところめっちゃ好きだったな。でも、そんな人が焦ったときに顔が笑みを形作ってしまうのもたまらなかったです。最後まで本人には言わなかったのか言えなかったのか、最良の判断などどこにもなかった気がするのが切ない。

一虎は、ビジュアルが一番好みでした。莉左衛門との並びも格好よくて、良いコンビになってほしかったなぁ……。最初に莉左衛門が話し出すときにお二人を一緒に見るのが楽しくて好きでした。
莉左衛門のスタンドプレーにはストレス溜めるし、それを評価されて取り立てられるのも悔しそうだし、過去の功績は悪いなく否定されるし、一虎も別に莉左衛門につらく当たろうって気はなかったと思うんですけど、一番に疑いの根拠を口にして、討つための号令を食い気味でかけるの、そういうのが積もりに積もっての結果って感じがするなぁと思いました。私も気をつけよう……。
殿の刀を受け止めるのと、vs莉左衛門のとこはめちゃくちゃかっこよかったです。殺陣ほんと早くてかっこよかった……。

夭願寺は、3人のキャラがめちゃくちゃ立ってて、すっごくかわいくて大好きでした。動きがどんどん大きくなるのがほんと楽しくて……。なんか、良い言い換えが見つからないのでそのまま書いちゃうんですけど、生徒会っぽいなと思いながら見てました。生徒会長残照と、キュートな補佐役有玄と、真面目な実行部隊峰角と……。夭願寺のシーンはほんとに楽しかったとしか言えない……なんなのあれ……ほんと好き……。有玄の阿修羅に毎回ツボってました。あと峰角が丁寧に扉を開け閉めするのが好きでした。戦うときは、有玄が走るの大変そうだったりするのが面白くって。残照さまの殺陣はめちゃくちゃ美しかったですね。最高に美しかった。毎日観たい。

輝親さま。大好きでした。
たぶん輝親が何かを大事に思ってるときの表情にやられたんだなぁ……あのキャラクターであんな優しい顔するのずるいです。
表情も声音もくるくる変わるのが本当に魅力的で、十兵衛との掛け合いも楽しくて、いつでも何かしていて、大好きだったんですけど、一番好きだったのは静かに何かを見ているときの表情でした。
自分のために動いてばかりと思いきや、いつの間にか4人で行くことが目的になっていて、底の知れないお人だなと思いつつ、あたたかいところがあるのが好きでした。元領民たちに慕われるお姿や、人の手で生み育てられるものの尊さを語るときの深い目、十兵衛や紗々、源七を見る目元に滲んでくる情に、心を奪われていました。
二幕の最初と最後、青々とした田んぼも、赤いもみじも、とてもあざやかでうれしかったです。こういう風景を輝親は愛しているんだろうなって思って、自分もそれを見られているような気がして、幸せでした。
ラストシーンの、セリフがないときの表情がすごく好きで、何を思っているのか理解しきれる気はしないけど、わからないから惹かれてしまう。でも、輝親があの3人のことをすごく大事に思うようになったからああいう目をするんだろうなと思います。
あの青々とした城下で本音を見せ始め、もみじの散っていく中で終わるけれど、あの4人の関係は黄金色に実っているのかもしれないなぁ、なんて思っています。

けむりの軍団を観てほしい話

東京公演どころか福岡公演も終わり、大阪公演が始まろうとしているところ。どう考えても言うの遅くない?って気しかいたしませんが、関西圏のフォロワーさんもそこそこいるので、やっぱり書こうと思う。

劇団☆新感線の『けむりの軍団』を観てくれ~~~!!!1回だけの人はできれば増やしてくれ~~~!!!!!(強欲)

これは宣伝とかじゃなくて、私と好きを共有してほしいっていう甘えです。よかったらぜひ、感想お話ししよう?ということで、新感線ド新規なりにお勧めしてみようと思います。

公式のあらすじはこちら。
http://www.vi-shinkansen.co.jp/kemurinogundan/story.html

 

この作品、愉快痛快侍活劇と謳っているように、軽妙な会話が面白くて笑いもいっぱいあって、とっても楽しいお話です。騙し騙されいろんな勘違いに嘘が重なっていって、些事が大事に膨れ上がっていくのが面白い。

古田新太さん演じる真中十兵衛は、性格難ありで浪人として燻ってるけど、頭は切れるし戦えば強いし、かっこいい!池田成志さん演じる美山輝親はとにかく口が回って小狡くて、表情もくるくる変わって、でもお人好しな一面もあって魅力的。

そんなお二人と、大名・目良家に人質として嫁いでいた厚見家の姫様、清野菜名さん演じる紗々姫と、その家臣、須賀健太さん演じる雨森源七の二人が出会い、すったもんだの末に一緒に厚見領へ向かうことになるわけなのですが、熟練のお二人と若くてまっすぐなお二人の4人の道中が、面白いやらかわいいやら。

敵方の目良家と、もう一つの勢力である夭願寺の面々は、ステレオタイプな悪役の面白さもありつつ、因縁に翻弄される人間味もあるのが観ていて楽しい。

振り返ってみると、話の筋だけならわりと真面目でギミックが面白いって感じなんだけど、とにかく笑いっぱなしなんだよなぁ。掛け合いがほとんど全部面白いし、セリフ以外でも隙あらば笑わせてくる感じでほんと楽しいです。

殺陣もかっこいいし、歌や踊りもとっても楽しくて大好き。

特に殺陣はね、古田さんが1対多で戦ってるとこがめちゃくちゃかっこよくて、ほんとかっこよくて……かっこいいんですよ!そして早乙女太一さんの殺陣はやっぱりきらびやかでうつくしいんですが、飛沢莉左衛門、キャラクターがほんとに面白くって。初日付近に観たときからどんどん面白さが進化していて最高です。それから、夭願寺住職の残照、粟根まことさんが薙刀で戦われるのもとてもうつくしくて、見惚れてしまいます。長物って、いいですよね。

そんな感じで、1回観るだけでも、たくさん笑ってかっこいいのも見られて楽しかったな~と思って帰れる作品だと思います。

 

が、複数回観てみると、観れば観るほど味が出る!!

なんだかね、基本的にからっとしてるし、敵方にどろどろはあっても笑いがあるのであんまり重くも感じなくて、気軽にさらっと観られる作品だと思うんですけど、回数を重ねるごとにキャラクターの持っている背景がじわじわ効いてくる気がするんですよね。

というのも、いろんな場面のいろんな台詞にキャラクターの背景が散りばめられているから。さっき笑いながら聞いてた台詞が、さらっと流してた台詞が、真面目なシーンになってぐっと質量を持って迫ってくる。もちろん1回でも感じられる部分はあるでしょうが、台詞が自分の中に沁み込んでくるほどに感じ方も深くなるかなぁと思います。

それから、やっぱり複数回観ると、いろんな表情に気づけますよね。そういうのってもちろんこの作品に限った話ではないんですけど、この作品だと特に面白く感じられて。全体的に軽妙で、弱さが前面に出てくる人があんまりいないからこそ、人間味が見えてきたときに響くのかなぁ。

 

主人公チームの4人に関しては、あっさりした雰囲気だけど、この背景を持った人がこういう選択をするって相当情が芽生えてるよな~とか、ここでこんな顔しちゃうんだ!とか、4人の間に滲んでくる情を丁寧に拾っていくとすごく愛おしくなったりして。

特に私は、ラストシーンの輝親の表情が好きすぎて……。詳しく言うとネタバレになっちゃうけど、お城で後ろ向いて座ってるシーンで、紗々が十兵衛に話しかけるときの輝親の表情を見てチケット10枚増えたので、そこ見てほしいんですよね。3回目で下手側から観たときに初めてそこの表情が見えて、は!?そんな顔するの!?って、なんか本当に衝撃だった……あんなの好きすぎる……。毎回表情違うんですけど、どのときも大好きです。みんなも下手側入って……。

 

それから、特に女性陣が観れば観るほど好きになります。このお芝居で泣くことはないと思ってたんだけど、どんどん思い入れが深くなっていって、博多座楽では3回泣けてしまってちょっとびっくりした。

最初から大好きだったのは中谷さとみさん演じる千麻。目良家の側室で、面白いキャラなんですが、最後の見せ場で少女の顔を見せるのがすごく好き。本当のところどうなりたかったのか、何が彼女の幸せたり得たのか、わかれる気はしないけど、心を寄せて見つめていたい。

ストレートに心を動かされるのは、清野菜名さん演じる紗々姫。ふてぶてしいくらいに堂々としていて、同情を引くようなやり方をしないところがかっこいい姫ですが、置かれた状況を考えるとしんどくないはずないんですよね。しんどい状況でも姫という立場に対する自負と努力で諦めずに進んできたんだなって思います。でも何も感じていないわけじゃない。恐怖も悲しみも呑み込んで踏ん張ってきたのが見えるシーンで、心臓をわし掴みにされます。

高田聖子さん演じる嵐蔵院は、一見「悪役」といったイメージだけれども、何回も観た今となっては一番守りたくなる存在。権力を持っている強い女性だけれども、いろいろ切なくて。立場ゆえに強くいなくてはならなかったけど、素はかわいらしい人なんだろうなと思わされる表情や反応がいろいろあって、守ってあげたくなるんだよなぁ。特に一幕の夭願寺で、顔を背けちゃうときの表情が好き……。ここもたぶん初見だと台詞しゃべってる人を見るから、あんまり見られないと思うので、ぜひ複数回入って見てほしいところです。

 

そんな感じで、とにかく大好きなこの作品、ぜひ観ていただきたく……!

まだチケットがある日程もございますし、
http://www.vi-shinkansen.co.jp/kemurinogundan/tour.html
当日券・当日引換券もございますので、
http://blog.vi-shinkansen.co.jp/?p=2225
どうぞよろしくお願いします!

 

ネタバレ配慮して文章書くの、あんまりやったことないから、この拙い文で魅力が伝わるかちょっと不安ですが……少しでも伝わるといいなぁ。ここには書き切れなかったこともいっぱいあるので、おいおいネタバレなしの感想も書きたいと思います。

とうとう大阪公演も始まりますね。私自身はあと数回しか行けないので、もう少しで会えなくなっちゃうと思うとさみしいんですけれど、博多もめちゃくちゃ楽しかったし、大阪もとっても楽しみだな!フォロワーさんに会えるのも楽しみにしてますね!!

では、劇場で!