初景色

我の強めな感想を書きます

キッド・ヴィクトリー感想日記

なんかもううまくまとまらないので日記にします。まとまってないです。

 

12月16日 19時

初演観てるので、そうなるのは薄々わかってたけど、幕開いた瞬間思った以上にざっと血の気が引いた感覚がして、なんだか自分の反応に逆に面白くなってしまいました。いやほんとこれ推しがルークなのしんどすぎでは???観終わってから物理的に胃が痛いのですが……。でもそれも見越して明日午前休取ってあります。天才。
再演のみの感想ってなんだかまだ難しいな。初演もそれなりに通ったので、初演で感じていたことにまだ引きずられちゃってるかな。私はもうとにかくマイケルを憎んでいるのですが、同時にマイケルの背景についてもいろいろ考えさせられる部分があるので、この再演でのマイケルについてもちゃんと考えていけたらいいなと思います。
ああでもほんと、未成年を唆して親に嘘を吐かせようとする大人、本当に邪悪……。大人になったからこそ、より感じるようになりましたね、こういうの。マイケルにどんな背景があろうと、子どもに自分の弱さを押し付けるのは絶対許せないな……。
キャストごとの感想も言いたいけどやっぱり初演の解釈に引きずられちゃう気がするのでまた今度……。ルークはやっぱり目がとっても繊細で素敵でした。わくくんのお芝居好きだ。あと、ロマンスグレーのおじさまがとても好みなので、ひのあらたさんのお父さんがかっこよすぎて、しんどさの中で急にときめいてしまって感情がバグる。でも、最後のお父さんとのシーンは普通にとっても好きでした。今日はこの辺で。

追記:前日にストーリー・オブ・マイ・ライフを観てたので、「普通」に押し潰される感じがさらにめちゃくちゃしんどかったです。

追記2:全然眠れん!のでつらつら考えたこと書きます。なんかもう、何が無理って、年の離れた未成年に対して「よそさまの大事なお子さん」って意識がないのがなんか一番無理なんだよな。犯罪なのでそれ以前の問題ではあるのですが。私は未成年の友人もそれなりにいるので、そういう相手とも盛り上がって普通に会話したりはするけど、年上への遠慮に甘えないことと依存させるような関わりをしないことには気をつけて接するじゃないですか、大人として。そういう線引きがないどころか、立場の強さを利用して、自分に欠けてる何かを満たすために子どもを利用するのが本当に許せない……許せないんだよ……。そういう風になってしまった背景についてはちゃんと見極めたいなと思ってるし、場合によってはそれに心を痛めることもあるかもしれないけど、どんな理由があったって子どもを傷つけていいことには絶対にならないので。

12月17日 19時

英語苦手なくせに英語版の歌詞聞き取ろうとしてたら無事日付も越えたので全てを諦めて箇条書きにします。あっ今日は胃は痛くなりませんでした!

  • 今日、鹿の角の間にルークが丸めた紙投げるとこで、客席の方に飛んじゃうハプニングがあったけど、エミリーの対応が最高にエミリーで最高でした。最高でした。
  • お母さんもスーズも悪気はないのわかってるけど見ててほんときつい。歌声が美しいほどきついので、最高だなと思いつつすごいしんどくなっている。スーズ、待つのは勝手だが本人に言うなよ……若い。お母さんは見てて、自分の祖母とか、『くろねこちゃんとベージュねこちゃん』のお母さんを思い出すな……。「完璧な男の子」って訳天才だと思う。思春期の母子って多かれ少なかれこういう部分はあると思うんだけど、宗教的背景がそもそもしんどいし、ルークが一度自立していこうとしたところでマイケルに付け込まれてめちゃくちゃにされてしまっているから、余計しんどいんだよなぁ。
  • アンドリュー大好き。彼は彼で大変なことあるだろうに、性格がカラッとしてるのほんといいよね。「普通の幸せ」に適応できる人たちのこと、私は恨めしく思ったりしたこともあるけど、アンドリューは明るく唾吐いてて、そこがめちゃくちゃ好き。幸せそうな窓の中にもきっと一つ一つ苦悩はあるんでしょうけどね。そこには同情しない若さと勢いも好き。終始ルークの意思を尊重する紳士なとこも最高だよね。若くてチャラいのに紳士。良い。なのにルークがマイケルに引き戻されてしまうのがほんと、マイケルをぎったんぎったんにしてやりたくなる。
  • マーラ、初演のときから大好きだったけど、ほんと好き!かわいい~!!
  • エミリーがルークとの約束を守れないの、少しつらいし、約束しちゃったエミリーもちょっと幼いとは思うんだけど、エミリーはエミリーでマーラとの人生を歩んでいこうとするところ、すっごく好き。
  • 最後のお父さんとのシーンほんとに好きだな。歌に入る前のルークの台詞ほんとしんどいし、お父さんもしんどい顔してて、ほんとにしんどいよね……と思う。”Where We Are”、まだちゃんと理解できてるとは思ってないんだけど、今持っているものをちゃんと見ろってことなのかなぁと、今日聴いてて思いました。私はしんどくなると、自分の持ってる幸せを数え上げて安心するので、そういう感じなのかなって。わかんないけど。
  • マイケルがルークに未来を見るのはけっこう理解できるんですよね。未来が定まっていないのって、無限の可能性が秘められているようで、とてもきらきらして見える。大人になっていくのって、選ばなかった道を捨てていくことでもあるから。でも自分が行き詰ったからって、若い誰かに自分の夢とか希望を託す姿勢は、私は大嫌い。他人の人生は他人の人生だし、自分の人生は自分で作っていかなきゃ。自分のやりたいことを選んでいかなきゃもったいないと思うんですよね。そう思える環境にあること自体が恵まれているんだとも思いますが。
  • また推敲ゼロで他人様に伝わるのかどうかわからん文章を練成してしまった。でもこういう風にごちゃごちゃ考えられる作品大好き。人生を問われてる感じするもんね。楽し~!!

12月18日 17時

21日になって思い出して書いています。ちょっと気持ちがそれどころじゃなくなってしまっていたので、思い出せる範囲で。

  • この回でやっと少し客観視できるようになってきたかなという感じがしました。まあ推しがルークで冷静に観る方が無理よね。EASTチーム初日観た友人が心配して連絡くれたし、この日にいた友人にもこれ通うのえらいって言われました(笑)えらいって言うのも違うかな?ってフォローしてくれたけど、私は単純なので褒められてうれしかったです。
  • エミリーにサンタフェに行こうっていうシーン、2人の大人の対比になってるんだなあと思いました。どちらもここに居場所がない大人。マイケルはこの世にいられなくなって、「痛み乗り越えパラダイス」へ。エミリーは娘とここで生きていこうと決める。ルークはマイケルとは一緒に行かないけれど、行く場所がなくなって混乱するんだなぁって思えて、やっと自分がちょっと落ち着いてきたなと思いました。
  • 帰り道、友人と話していたのですが、今回のWESTチームのマイケル、初演と比べてすごく強い人に見える。初演のマイケルは、確かもっと繊細に見えたんだと思うんですよね。弱くて居場所を失ってしまった感じがあったので、ある意味わかりやすかったんですけど、今回のWESTマイケルは、あれだけ人当たりの良さと支配的な感じをコントロールできるのに、なんでうまくやれなかったんだろうって不思議な気持ちになる。今後も観ながらもうちょっと掘り下げていきたいな。
  • 今日のスーズわりとわかりやすくキレてたなって友人と話してました。あの歌の内容、ほんとは言うつもりじゃなかったもんね、ルークに「前に進め」って言われたから言ったんだよね。今まで私の見方がルーク贔屓すぎたわ、ごめん。

12月20日~26日

体力が尽きてて日記諦めてしまった……。もう何も考えたくないよぉの気持ちと、でもとりあえず思ったこと吐き出しとかなきゃ観劇中書きたいことで気が散って後悔するから書いとこうよの気持ちとでとりあえずこの画面を開きました。
書けるとこまでとりあえずシーンごとに頭から書いていきます。

  • 幕開いた瞬間、現実から物語の世界に引きずり込まれる感覚がしんどくて、何度観ても慣れなかった。たぶん3回目くらいからルークの表情がより幼く見えて、それがしんどさに拍車をかけていた。最近どんどん表情も大人びていってるなと思っていたところにあの幼めの表情されると心に来る。守られていてほしい。
  • ルークと会ったこともない人はともかく、もともと関わりのあった人が祈る気持ちは、初演の頃に比べて理解できるようになった気がした。ここのところ、すがる神もいないのに、祈ることしかできないことが多すぎたので。初演の頃は、幕開きからルークの家での会話にかけて、「見られている」圧をひたすら感じていた気がする。今はアイリーン側から見える世界についても考えている。もともと敬虔なクリスチャンで、祈った結果それが叶えられたなら、より感謝を捧げなければいけない気持ちになるだろうなという気がするし、途中で神を疑うこともあったなんて、この人にとっては自分を揺るがされることでもあったのだろうと思う。でもその分、特にWESTのアイリーンは、信仰の世界のことしか見えなくなっちゃってる感じがしてしんどかった。ルークが監禁されていた間、ルークにはルークの時間があったことがわからないんだろうな、なんでわからないんだろうな……という気持ちで見ていた。
  • 場転でシャッってカーテン引くの好き。ケールのキューブに苦そうな顔してるのかわいくて、この瞬間がこの舞台観てる中で一番心が軽くなる。
  • フランクリン氏、劇中での役割はともかく、歌はけっこう好き。役割としては典型的な「この町の人」を示してるんだろうなと思いますが。悪気はないんだろうなぁ。"PLAIN WHITE CARD"、自分らしい色はこの町では許されないってことなんだろうなと思っています。もっと直接的に言えば、虹色はダメなんだろうな。
  • フランクリン氏の詮索から守ってくれるエミリーがとても好き。うちは母方の祖母だけわりとこの町っぽい感じの人で、あるときすごく嫌なことを言われて、私もキレてしばらく会わないようにしてたんだけど、母がその間、何年間か、電話も取り次がないようにして守ってくれたんだよね、あれはありがたかったし、母ともいろいろあったけどこの人は味方なんだなと思えるようになったので、エミリーが守ってくれたのもルークにとっては最初の大きいことだったんじゃないかなぁと思います。そこから、エミリーが先に自分の弱みを晒してくれるのも良いよね。私も先に自分の話しちゃうと、それを呼び水にして相手も話してくれるようなときがあって、こういうの好きだな。エミリーの歌を聴いてるルークの表情の変化が、すごく良いなぁと思っています。
  • マイケルとの出会い……の話はちょっと気持ちがぐちゃぐちゃになるので今はしません。
  • ゲイル、WESTのゲイルはわりとまともっぽくて好きなんですよね。専門職じゃないし、手法は胡散臭いし、親の前でやるのはプライバシー守られなくて良くないし、宗教を背景にしてるのは特にルークにとっては受け入れがたいと思うんですけど、自分の現状を人に話しながら整理するのが大事っていうのはそうだなと思う。でも専門職のところに行かせてあげなよと思うんですけどね、そういうのできないのかな、あの町。
  • 再びマイケル。「誰も知らない」それはそうなんだよ。そこを自分にならわかるとか分かり合えるとかって近づいてくる奴がやべえんですけど!?だめだ怒りが抑えられない……。まあこの町の場合誰にも言えないのはそうなんでしょうけど、それを自分とだけ共有するように洗脳していくのがほんとに嫌。最初に出会うのがアンドリューみたいな人だったら良かったのに。誰にも誰かのこと理解なんてできないし、理解できない違いがあるからこそ、誰かとコミュニケーション取るのが楽しいのだと私は思う。簡単に誰かを、何かを、わかるなんて言ってしまいたくないし、共感したものについても「わかる」で済ませるんじゃなくて、私はこういう経験をしてきたからこういう風にこれに共感するって言いたいんだよね。だからこんなに長々と書いているわけですが。ただ、私も「わかる!!!!!」って言っちゃうときはあって、そういうときは「細かな違いを無視しても三文字の簡単な言葉で叫んでしまいたくなるほど今私はその事象に対して共感し情動を揺さぶられています」ということだと思ってもらえるとありがたいです。そういうときはある。そこにある違いを無視してしまうことの暴力性は意識している。
  • "LOAD CARRY ME HOME REPRISE"、これきっついですね……。マイケルがルークに言っていること、そのままマイケルの父か、そういう立場だった人がマイケルに言っているように見える。初演も今回も、最初はそういう風に見てはいなかったんだけど、途中からすごくオーバーラップして見えてきたんだよな。こちらが回数を重ねたからか、あちらの要因なのか、よくわからないんだけど。マイケルの背景はほとんど語られないのに、そういう風に見えてくるのがすごいなと思います。
  • 洗濯終わったのでまた明日以降!!!おやすみ!